職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

本の感想

『袋小路の男』絲山秋子

このブログではあまり日本人の女性の作家は紹介しないな、、、と思われている方がいらっしゃるかもしれません 確かに私の読書は少し男性作家の方に偏っているようです。バランスのよい読書を心がけようとは思っておりますが あくまで憶測ですが、読者という…

『失われゆく仕事の図鑑』永井良和他(後編)

長くなっておりますが、いよいよ最終回です。気になったところをピックアップしております 貸本屋 このブログでこの仕事を採用しないわけにはいきません こちらの記憶は確かなのですが、私は幼少の頃に関西の親戚のところへ行った時、一度だけ利用したことが…

『失われゆく仕事の図鑑』永井良和他(中編)

前回からの続きです。この本で紹介されているものをいくつかピックアップしております 傷痍軍人 戦地で負傷した人が路上で施しをもらうことがありました この本でアコーディオンを弾いている写真がありました 私のそうとうおぼろげな記憶では、かなりの幼少…

『失われゆく仕事の図鑑』永井良和他(前編)

現代というのは便利ですが、あまり面白みはないかもしれません おそらくそれは製品やサービスがグローバル化によって、あらゆるものが画一化されたということがあります 数十年くらい前までは、地域差というものが大いにありました 地方によって、自動販売機…

『戦争の悲しみ』バオ・ニン

私は比較的、東南アジア文学を紹介させていただいていますが、その中でもまさしく最高峰と言っていいのはこの本だと思います 確かインドの大学教授だったと思うのですが、日本に反戦文学が生まれないことを嘆いていた記事を読んだことがあります ちょっとそ…

『詭弁論理学』野崎昭弘

皆さまは、新書を読まれますでしょうか そうです。あの縦に細長い、背表紙で文庫の隣りあたりにある一連の書籍です(たまにものすごく分厚いものもあります) 少し堅苦しい内容のものが多いですが、読んでみれば面白いものがたくさんあります ちなみに結構昔…

『シルクロード・路上の900日―西安・ローマ1万2000キロを歩く』大村一朗

私は紀行文が好きなのですが、この本はなかなかとてつもないです 西安からローマまではの距離は1万2千キロとのことです それだけ聞いても、普通の人はふうんとしか思わないかもしれません ですが、この道を徒歩のみで踏破した日本人がいると聞いたらいかがで…

『ワンダー Wonder』R・J・パラシオ

周りから強く勧められる本というものがありますが、表題の著作はまさしくそういうケースで読むことになりました 主人公のオーガストはふつうの男の子なのですが、顔に障害があります とはいっても、多くの人があまり見たことがないくらい、顔の構成が異なっ…

『痴人の愛』谷崎潤一郎

最初に読んだ文学の記憶を皆さんはお持ちでしょうか 私の場合は両親の本棚にあった武者小路実篤の『棘まで美し』でした 中学生の時に何か両親に怒られて、嫌になって自室にこもった時にあまりに暇だから、隣の納戸にあった両親の書庫から適当に本を引っ張り…

『ロシアとソ連邦』外川継男

突然こんなことを言ってしまうと怒られるかもしれませんが、講談社学術文庫は非常にためになるものの、内容が難解すぎて読み切るのが難しいものも多いです 文庫なのに学術と名付けられたその宿命からも、やむをえないのかもしれません。あくまで学術なのです…

『乞食の子』頼東進

これは台湾の話です それほど昔の話ではないですが、かなり厳しい幼少時代を送った方の自伝です 彼は乞食ゆえに犬のエサや道に落ちているものを食べていました 乞食というのは、なかなかタフな暮らしで、ただですら少ない金までも他の乞食にむしり取られてい…

『7年ごとの記録 35歳になりました』を見ました

先日放送された『7年ごとの記録 35歳になりました』を見たので、感想を書いてみたいと思います 録画をしていたので何度か繰り返して見ました 私が気になっていた北方領土出身の祖父を持つ女性も無事に35歳になっていました 話すのがあまり得意ではない…

『停電の夜に』ジュンパ・ラヒリ

現代で有名な作家だからといって、後世に歴史を残すとは限らないようです 現に、近代ヨーロッパにはたくさんの有名作家が現在も名を残していますが、当時はもっと人気の作家がいた、なんて話をよく聞きます 後世に名を残すか否かは、その時代のと人気と比例…

『インモラル・アンリアル―現代タイ文学 ウィン・リョウワーリン短編集』

実験小説や前衛小説という言葉はよく聞きます では実験的な小説を一つでも挙げろと言われたら、皆さんはどのようにお答えされますでしょうか なかなか、難儀ではありませんか 例えば帯にそう書いてあったとしても何を実験したのやらとよく分からないことがあ…

『おもかげ』浅田次郎

このブログでご紹介している書籍は、私が本当に面白いと思ったもののみ紹介させていただいております ですので、あまり楽しめなかったものや、私の頭がついていけず理解できかったものは、ご紹介しないようにしています (そもそも、本の感想というのは、あ…

『質屋の女房』安岡章太郎

突然ですが、さて問題です。これは一体なんでしょう ○夜十二時をすぎると、日本橋もしずかになる。 ○月に一度私は、私の居住している神奈川県の県庁所在地である横浜の役所に、金をもらいに行くことになっている。 ○いったい何がおもしろくて、あの人はあん…

『駱駝祥子―らくだのシアンツ』老舎

少し大げさな言い方になってしまいますが、もし文学に何らかの使命があるとして、それが何かと問われたらうまく答えることができそうにありません ですが、その使命を果たしている作品を一つだけ挙げてみなさいと言われたら、私はすぐに答えることができます…

『ミャンマーの柳生一族』高野秀行

このブログは少し真面目な感じになっているかもしれませんが、それは私がよく見られたがっているというか、やや気取っているためであり、本当はくだけた本も大好きです 例えば、高野秀行の旅行記は気に入っております 最初に読んだ時はとてつもない旅行記を…

『九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 -City of Darkness-』

九龍城という名前は聞いたことがあったのですが、それが何かは知りませんでした ちなみに、九龍城とは香港の高層スラムのことだです ある日、用もないのですが、とある本屋でうろうろしているときに見つけました いつものように、本の背表紙を見ながら各書棚…

『観光』ラッタウット・ラープチャルーンサップ(後編)

前回からの続きです 「観光」 さすが表題作だと私は唸ってしまいました あとがきにも書いていますが、観光をするという意味だけではなく、光を観るという二重の意味で邦訳されたタイトルとのことです 主人公の母親が一二週間後には失明することになり、母を…

『観光』ラッタウット・ラープチャルーンサップ(前編)

先日、新潮クレストブックに似ているということで、ハヤカワepi文庫を紹介させていただきました これらの共通点は、同時代に活躍している世界の有望な作家を紹介するというものです 新潮クレストブックよりも冊数は少ないものの、ハヤカワepi文庫も非常にク…

『靴ひも』ドメニコ・スタルノーネ

小説というのは多様なので、国別に語るべきではないとは分かっているのですが、私の場合比較的イタリア文学が好きだと言えるような気がします あまり知名度はなさそうですが、『靴ひも』を読みました。ドメニコ・スタルノーネという著者も初めて知りました …

たまには映像系を『劇的紀行 深夜特急 [DVD]』

私は本を読むのは好きなのですが、映画を見るのは実は苦手です 特に洋画が苦手で、それはなぜかというと外国人の方の顔が同じに見えてしまうことがしばしばあり、ストーリーがわけわからなくなってしまうからです 邦画でも、知らない人ばかりだと顔の区別が…

『中国シルクロード ウイグル女性の家族と生活』岩崎 雅美

かねがねシルクロードに行きたいと思っていました なんか憧れてしまうじゃないですか、シルクロードって ですが、シルクロードはなかなかアクセスが容易ではなく、現役世代が手軽に行くには比較的難しい場所です しかもシルクロードとはいっても、広くとらえ…

『本の読み方 スロー・リーディングの実践』平野啓一郎

本日ご紹介するのは『本の読み方 スロー・リーディングの実践』です 平野啓一郎がこの本の著者なのですが、やはりこの人はいつも読者に新しい発見を与えてくれます これまで国語の授業を含め、大人たちや書評家が口をすっぱくして言ってきたのはたくさんの本…

『東京に暮す―1928~1936』キャサリン・サンソム

昔の日本人がどういう暮らしをしていて、何を考えながら生きていたのか 最近はそういうことを考えるようになってきました なぜなのかは自分でもよく分かりません もしかしたら死とか老いを意識する年齢だからかもしれません かつて、私は本屋さんのアルバイ…

『フェルマーの最終定理』 サイモン・シン

大人になってから、数学ではなく算数と呼ぶことが私は多くなりました。それはどうでもいいとして、算数の時からすでに数字という概念が嫌いな人は多くいらっしゃいます 文学と数学というのは、あまり相性がよくないような気もします だから「『フェルマーの…

『軽蔑』アルベルト・モラヴィア

私は古書店を見て歩くのが好きでした 長いこと趣味の欄があれば、古書店巡りと書いてきました 本当は今も好きなのですが過去形で書いています というのも、私が大好きだった古書店たちは、この20年で絶滅してしまって、もう古書店をめぐりたくても、そうい…

『本格小説』水村美苗

この本が発売された時、確か文庫だったと思いますが、「生まれながらにして古典」と帯に書かれていました ある休みの日に私は自宅の近所をうろうろするほかは、ずっと『本格小説』を読んでいました これは多くの人にとって素晴らしい読書体験になると思いま…

『十二人の手紙』井上ひさし

本屋さんに行く楽しみは、単に「あいうえお」順に並んでいる書棚を見るだけではありません もちろん、それも楽しいです。今日は「あ」から一冊ずつチェックしよう、と息巻いて棚を点検するのも無上の喜びがあります それ以外にも平積みの新刊を眺めながら、…

プライバシーポリシー