職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

本の感想

『空白の五マイル』角幡唯介

最近はあまりテレビを見なくなっていたのですが、たまたまテレビを点けた時に、『スイッチインタビュー』という番組がやっていて、そこに探検家の作家と紹介されている角幡唯介という方がいました www.nhk.jp 私はその方を存じ上げなかったのですが、静かな…

『本心』平野啓一郎

ご無沙汰しております 何があったわけでもありませんが、更新が滞っておりました 私も経験がありますが、ずっと長く続いていたブログが突然更新されなくなると、身内でもないですが、だいじょうぶかな、、、と心配になりますよね もし、そんな思いをされてい…

『逃げてゆく愛』ベルンハルト・シュリンク

久しぶりの更新ですみません今回は本の感想でいきたいと思います 本当に素晴らしい短篇小説を二冊選べと言われたら、一冊は下記です towriter.hatenablog.com もう一冊を選べと言われたら、私は迷わずこちらを選びます 逃げてゆく愛 (新潮文庫) 作者:ベルン…

『天路の旅人』沢木耕太郎

新刊の単行本は高いので、ほとんど買わないのですが、表題の作品はついつい買ってしまいました 理由は二つあります 一つは、無料お試し版という一章だけ読むことができるものを読んで、続きが気になって仕方なくなってしまったことです もう一つは、その期間…

太宰治賞2023

私はいつも五賞などと言って、ひとくくりにしております ご存じの通り、文學界新人賞、群像新人賞、新潮新人賞、すばる文学賞、文藝賞の五つをまとめております これに太宰治賞を入れてもいいのではないか、というご意見もあるかもしれません なぜなら、そう…

『夏の流れ』丸山健二

かつて栄華を誇った作家の方々が現代に現れたら同じ評価をされるのだろうか、というようなことを考えることがたまにあります 個人名を挙げることは避けますが、現代でも同じように評価してもらうことは難しいような気がします とはいえ、その作家も現代に生…

『その可能性はすでに考えた』井上真偽

幸運なことに、私の街には昔からある古本屋さんが一軒だけ残っています 昔は隣り町にも、その隣の街にも、古本屋さんはたくさんありましたが、現在はブックオフなどに駆逐されて、ほとんどその姿を消してしまいました 敷地がそれほど広くないので、何かいい…

『地上に星座をつくる』石川直樹

ここのところ、あまり紙の本を買わなくなってきております いくつか理由があると思っていますが、電子書籍を抜きに語ることはできません 最近の書籍は、紙と電子を同時に発売します そこで私は苦悶してしまうのです 紙と電子のどちらを買うべきだろうか、と …

『「君が代少年」を探して―台湾人と日本語教育』村上政彦

少し更新をさぼってしまいました・・・ 久しぶりの本の感想になります 昭和十(一九三五)年、日本の台湾統治時代に、台湾で大地震がありました そこで君が代を歌いながら死んでいった少年がいたという話が残っています 『「君が代少年」を探して―台湾人と日本…

『ここから世界が始まる』カポーティ

作家になる前、もしくは作家になりたての時、多くの人は長い文章は書けないと思います もちろん、これは一般論です とてつもない才能の方はそんなことはないのかもしれませんし、単に長くなるか短くなるかは気質の問題ということなのかもしれません ただ、私…

『何でも見てやろう』小田実

現在はもう2022年になっておりますが、それでも『何でも見てやろう』を今読む意義は大きいと感じました 先日のブログで『深夜特急』とは似ても似つかぬ作品と申しましたが、読後もやはりその感想は変わりませんでした それは、もう小田実と沢木耕太郎のお二…

『哲学の先生と人生の話をしよう』國分功一郎

前回のブログで、三冊の本を並行して読んでいるとご紹介させていただきました その中でご紹介した一冊を本日は読了したので、ご報告です 最初に読み終わったのは、『哲学の先生と人生の話をしよう』でした タイトル通りではありますが、哲学者である著者が3…

『転がる香港に苔は生えない』星野博美

かつて香港に行ったことがあります その頃すでに返還はされていて、街に何かが起こりそうな気配はありませんでした 確かに香港は賑やかで活発な、まるで生き物のような都市でしたが、私はどちらかと言えば、すこししっとりしたマカオに魅力を感じたものでし…

『ティファニーで朝食を』トルーマン・カポーティ

皆さんは、同じ本を何度も読むタイプでしょうか それとも乱読と言いますか、手当たり次第読むタイプでしょうか 私は後者でありますが、前者の方に対して少し憧れがあります 私のような読み方の方が、確かにたくさんの本を読むことができるかもしれません で…

『死刑について』平野啓一郎

こちらは小説ではありません 岩波書店から出版されている評論のようなものになります そして、作家は平野啓一郎なのですが、私はこの作家の誠実さに心から敬意を表します 現代にも素晴らしい作家はたくさんいますが、日本全体そして未来のことを憂慮するスケ…

『君の名残を』浅倉卓弥

私はあまり時代劇を読めていないのですが、思わぬところで時代劇を読むことになりました 『君の名残を』という本です 『四日間の奇蹟 (宝島社文庫)』を読んだ時から浅倉卓弥という著者は、そうとうな力技を持っていると感じていました 宝島の、このミスがす…

『猫を棄てる』村上春樹

最初に村上春樹を読んだのは高校生の時でした それまでは、赤川次郎のような推理小説か、国語の本に載っているような文学しか読んだことがなかったので、彼の作品は衝撃的でした 記憶はおぼろげですが、最初に読んだのは『羊をめぐる冒険』だったように思い…

『黄昏』DVD

私の身に何があったわけでもないのですが、久しぶりの更新ですみません 本日は映画の感想になります 最近の映画はCGの技術がとてつもなく進歩しています 例えば映画のハリーポッターシリーズでも、初期と後期ではCGの美しさがかなり異なっていることが分かり…

『作家の履歴書』

このブログを読んでくださっている方は、職業作家を志しているのか、それともそれとは関係なく訪れてくださっているのか、私は存じておりません このブログでは、本の感想のようなものを書いていたり、ガジェット関係のことを書くこともあるので、作家になり…

『世界青春放浪記』ピーター・フランクル

世界を旅して生きていきたいという願望が私には昔からありました わずかでも構わないから好きな事で収入を得て旅ができたらな、と 厚かましい話ではありますが、そんな生活に憧れていました 今も憧れているものの、ちょっと叶わぬ夢と化してきています もし…

『旅の終わりの音楽』エリック・フォスネス・ハンセン

タイタニックという映画がかつて流行りました 私も見たことがありますが、心に残る作品でした 今でも、冒頭のおばあさんのシーンは覚えています そこからタイタニック沈没の記憶を呼び起こすという構成でした ところで、同じタイタニックの話でも、とてつも…

『ドナウよ、静かに流れよ』大崎善生

私が大崎善生を読むきっかけになったのは、彼が将棋の奨励会にまつわるノンフィクションを書いていたからでした 私は将棋が好きですが、ひどく弱いです ですから、棋士たちの頭脳のとてつもなさに、尊敬の念をいだいています ですから、棋士のノンフィクショ…

『玩具修理者』小林泰三

私はあまりホラー小説が得意な方ではありません 怖いのが嫌いというわけではないのですが、何か特殊な気分の時でなくては手に取らないです 数年に一度くらいは、真っ黒なカバーの角川ホラー文庫をチェックしたりすることもあります かなり前から友人から強く…

『雍正帝―中国の独裁君主』宮崎市定

マイナーな部類に入るかもしれませんが、中公文庫というのは、質の高い本を長期的に提供してくれる、私の好きなシリーズです なんとはなしに、中公文庫の方へ行ってしまうという方はそれなりにいらっしゃるように思います そういう方でしたら、なんとなく宮…

『東京ゲストハウス』角田光代

たまには本の感想も挟んでみます・・・。 角田光代はよく旅をしている作家さんです ずっとうまい小説を書かれているので、直木賞をとったのも納得です ずいぶん前に角田さんが、テレビでサラリーマン作家として取り上げられているドキュメンタリーを見たこと…

『東京の生活史』岸政彦編

このブログでは、たいてい購入した本のことを書いておりますが、残念ながら『東京の生活史』については、購入しておりません 最近本屋さんに行った時に発見したのですが、強烈に惹かれました なんと1216ページの分厚さで、中指一本くらいの太さのハード…

『NHK「100分de名著」ブックス ブッダ 真理のことば』

『100分de名著シリーズ』は名著です これまで何冊か読みましたが、やや難解な書物を非常に分かりやすく解説してくれます。 読み終わった後に、さらに理解を深めるために読んでもいいですし、まだ読んでない本を予習しておくのも有効です 私が今回読んだ…

『流転の王妃の昭和史』愛新覚羅浩

あらためて申し上げることでもありませんが、私は無知です それなりに年齢を重ねて、今まで何度も戦争の話などを読んできて、ある程度のことを知ったつもりになっていました そして、人生を必死に生きてきているという自負もあったかもしれません ですが、人…

『「在外」日本人』柳原和子

近年、人はテレビを見なくなっているようです 私もあまり見ておりませんが、たまに面白いものもあります 番組名を覚えているわけではないのですが、世界で生きる日本人の暮らしぶりみたいなものは面白いと感じることがあります あまり地域に偏らず、欧米だけ…

『ションヤンの酒家』池莉

おそらく、、、ですが、人は幸せになりたいと願っていて、そのために切磋琢磨しているのだと思います 問題は幸せとは何なのかということになってくるのかもしれません ある人は老後を悠々自適に生きるためにせっせと金を貯めています ある人は野球で生きてい…

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