職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

『東京ゲストハウス』角田光代

 

 

たまには本の感想も挟んでみます・・・。

 

 

角田光代はよく旅をしている作家さんです

 


ずっとうまい小説を書かれているので、直木賞をとったのも納得です

 

 

ずいぶん前に角田さんが、テレビでサラリーマン作家として取り上げられているドキュメンタリーを見たことがあります

 


近くにアパートを借りて自宅から出社をし、そこで執筆活動をされています

 


昼食は近くの定食屋などですまし、再びアパートに戻って仕事をするのです

 


定食屋で角田さんは周りのお客さんをじろじろと眺め回していました

 


こういう何気ない風景を頭に叩き込むことによって、作品のリアリティが増すとのことでした

 

 

大変参考になります

 

 

向田邦子はある小説で登場人物の女にこんなセリフを吐かせたといいます

 

 

「あら、爪を踏んでしまったわ。きっとお父さんの爪ね。男の人の爪って固いわ。」

 

 

細部は忘れてしまったが、こういう感じの言葉だったと記憶します

 

 

角田さんはこの表現がすごく気に入っているとのことでした

 

 

この表現は確かに確固たる現実性を読者に要請します

 

 

角田さんはたくさんの本を書かれていますが、旅が好きな方でしたら、私は迷わず『東京ゲスト・ハウス』をおすすめしたいです

 


まず設定が面白いのです

 


旅というのは、始まりから書くのが普通ですが、この本は旅の終わりから始まります

 


長い旅から帰ってくると疲労感のような、日本への違和感のような不思議な気持ちになるものです

 


主人公はそんな気持ちのまま旅先で知り合った女が経営するゲストハウスらしき一軒家に住み込むようになります

 


さらに特徴的な人たちがそこへ現れたりして共同生活が営まれます

 

 

それなりに面白いですが、主人公が何を考えているのか今一つ分からないところがあります

 


ですが、角田さんは意図的にそうやって書いていたのかもしれません

 

 

ただ旅行の好きな人にはぜひ読んでみていただきたいです

 

 

長い旅行から帰ってきた時のことを思い出されるかもしれません

 

 

そして、何か一つは膝を抱えて考え込んでしまうようなテーマが見つかりそうです

 

 

なんとなく、この方を見ていると、作家的素養のようなものがいろいろとそろっているように感じました。例えば、この方をwikipediaでご覧いただければ、なんとなく納得していただけるかもしれません

 

ja.wikipedia.org

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