新人賞をとらなくては作家になれないと思っている人は多いかもしれませんが、本当はいくつかあるように思います
その中でも王道を私は五賞と勝手に呼んでいます。ちなみに文學界、群像、すばる、新潮、文藝の五つです
ここからデビューすることが、職業作家になる近道のように思います
というのも、純文学作家というのはデビュー後も生活が苦しく、筆だけで生計を立てるのは厳しいそうで、それなりに有名な登龍門を通過しなければ職業作家にはなれないからです
ちなみに、私が最終候補に残って出版社の人に聞いたのですが、「純文学作家というのは稼ぐのが大変だから、受賞したとしても仕事は辞めないように」と、どの最終候補者にもアドバイスをするということです
これは群像の人も新潮の人も同じことを言っていました。最終候補に残るのも大変なのにデビューしてもまだまだ職業作家の道は遠いのか、、、と絶望的な気持ちになりました(そして、私は最終候補で落ちるので身も蓋もないですが)
プロになっても普通のサラリーマンくらいの収入をもらっている純文学作家はごく一部ということでした
ちなみに、中村文則さんは「デビューしたての若い作家の人を金銭的に支援するような仕組みがないと、作家が育っていかない」と心配されていたそうです。出版社の人からお聞きしたことで、私がご本人から直にお聞きしたわけではありませんが
彼ほど有名な作家でも、デビューしたての時は生活が苦しかったことを物語っているような気がしました
もちろん中村文則さんは今ではたくさんのヒット作を出していて、生活に困らない職業作家だと思います(と、余計なお世話ですよね・・・)
はっきり言って、なんて厳しい世界なんだと諦めてしまいそうになります
そもそも五賞は競争率が高すぎる、だから倍率の低い文学賞に応募する。そういう手もあるかもしれません。私も何度かそれを迷ったのですが、そこで受賞した人たちの履歴を見ても、なかなか職業作家までいった人がいないのが実情です
なので結局応募はしませんでした。
やはり職業作家は難しいのか・・・。そう絶望してしまいそうですが、まだ早いです
現代は個人が執筆する上で非常に便利な時代になっています
その一つが電子書籍です。これは自費出版だと思ってらっしゃる人がいるかもしれませんが、似て非なるものです
きわめて偏見的な比較ですが、下記のような表を作ってみました
正直にお伝えすると、自費出版をしたことがないので、実際のことは分かりませんが、いくつかの書籍を読んで推測した内容です。一方で、電子書籍はAmazon KDPというものを使って出版したことがあります(小説ではないのですが・・・)
これは無名でも少しだけ売れます。しかも、印税がすごい%です
例えば1500円の紙の本を自費出版でがんばって出しても、100冊売るのも大変だと思います。その印税は10%とすれば、150円 x 100 = 15,000円です。しかも作成するのにかなりのお金を払っています
一方で、電子書籍は自分で値段を決めることができます。Amazon KDPの場合は300円以上であれば印税が70%になるのです。しかも、なぜかぱらぱらと売れてくれます。300円の70%なので、210円 x 100 = 21,000円です。しかも初期投資は不要で、全て自分で用意できます
実際、このAmazon KDPで作家デビューした人はいて、そこから出版社から紙の本のオファーがきたりするようです
タイトルだとか紹介文を自分で工夫することにより、出版社に頼らず自分でデビューするという方法が現代にはあります
ちなみに私が電子出版した本は何年もかけてですが、数百冊くらいは売れているような気がします(数えてないのではっきりしたことは分かりませんが・・・)
では、電子書籍はどうやって作ればいいのか。分かりやすい作成方法はまた追って記事にしていきたいと思います
ただし、電子出版しても、たくさん売る方法は分かりません。私自身、さほど売れてるとは言い難いので・・・
中村文則さんのデビューは衝撃的でした。そして最終候補の時に選評をいただいたことがあるので、勝手に親近感を持っています