職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

『本心』平野啓一郎

 

 

 

ご無沙汰しております

 

 

 

何があったわけでもありませんが、更新が滞っておりました

 

 

 

私も経験がありますが、ずっと長く続いていたブログが突然更新されなくなると、身内でもないですが、だいじょうぶかな、、、と心配になりますよね

 

 

 

もし、そんな思いをされていたらすみません

 

 

 

とはいえ、何となくお気づきかもしれませんが、アクセス数の少ないブログなので、杞憂かもしれません

 

 

 

いずれにしても、長く見てくださっている方もいてくださるので、更新頻度は低くとも長く続けていきたいと考えております

 

 

 

今回は本の感想になります

 

 

 

ブログタイトルにもある通り、平野啓一郎の『本心』になります

 

 

 

いつも新刊が買えるほどの余力はないのですが、それでも出たらすぐ購入したい作家はいて、ジュンパ・ラヒリ村上春樹平野啓一郎あたりはほぼ間違いなく買っております

 

 

 

ですが、読書家の方はお気付きかもしれません・・・

 

 

 

「いやいや、『本心』が出たのってもう二年くらい前じゃないの?」と

 

 

 

はい、おっしゃる通りです

 

 

 

キンドルで購入はしていたものの、ずっと読まずにここまできてしまっていました

 

 

 

それは、『ある男』や『マチネの終わりに』がリアリティのある物語ですごく良かった一方で、『本心』の冒頭がいかにもSF的だったからであります

 

 

 

というのも、私はSF小説というものをあまり読んだことがなく、近未来のシチュエーションに入り込むには少し気持ちの準備がいるのです

 

 

 

「え、二年も気持ちの準備が必要だった?」とおっしゃられたら言い返せませんが、他にもいろいろな本があり、そういうことになってしまいました

 

 

 

ですが、その二年は一体何だったのかというくらい、この本はのめり込みやすかったです

 

 

 

近未来というのは、なかなか信じがたいシチュエーションですが、そこは平野啓一郎ということで、私のような読者でもちゃんと入っていけるような仕掛けをつくってくれています

 

 

 

近未来的舞台ということもあってか、いつもの平野作品に比べると「物語のつなぎ目」のようなものがいつもより多いと感じました

 

 

 

「物語のつなぎ目」が見えるというのは、話と話のつながりが少し強引だったりして、作者が意図的に用意した展開が透けて見える感覚です

 

 

 

平野啓一郎の作品はいつも根底にモチーフがあるので、それはやむを得ないかもしれません

 

 

 

(ちなみに、私は偉そうに言っておりますが、新潮の最終選考に残った時に、とある選考委員の方に言われておりました・・・「作者にとって都合のいい展開」と・・・)

 

 

 

とまあ、いくつか思うことはあるものの、物語には様々な人物が登場し、いくつかの出来事や事件が物語を盛り上げてくれて、かつそれらは現代にも通じる何かを示唆しているところはさすがです

 

 

 

タイトルからしても、人の本心とは?という主題があるのですが、他にも気になる主題がいくつも見え隠れしています

 

 

 

テクノロジー就職氷河期インフルエンサー、障害、バーチャルリアリティなど、本当にたくさんの仕掛けがあり、興味が尽きません

 

 

 

いつも通り、再読すればまた違った発見があると思われる、多重的な物語になっています

 

 

 

いくつかの奥深いテーマを内包しながらも、読者を飽きさせない、相変わらずの力作であることに間違いはありません

 

 

 

本心

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映画化決定なんですね。このような内容を映画化すると、どんな映像になるのでしょうか。ちょっと気になりますね。そして主人公はどの俳優さんになるのでしょうか。そのお母さん役も気になります。まだお読みでない方はぜひ!!!

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