職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

『富士山』平野啓一郎(前編)

 

 

ものすごく久しぶりの更新になってしまいました

 

 

もしかしたらこのままフェードアウトしてしまうのではなかろうか、、、とご覧いただいている方以上に、私が思ってしまいました

 

 

更新しないと、と思いつつもだらだらとここまで来てしまいました

 

 

3月末締め切りに向けた執筆活動は続けていますが、特に変わらない日常を過ごしております

 

 

書きたいことがないわけではないので、今後も色々と書いていきます!

 

 

お時間あれば、ご覧いただけますと幸いです

 

 

では、本題に入りたいと思いますが、先日平野啓一郎が新しい短編集を出したことを知りました

 

 

2024年10月に出版されたようですが、なんと私は12月に知ることになったのです

 

 

よく、ネットではおすすめ商品などを自動的に紹介してくれますが、この資本主義の時代に、なぜかAmazon楽天も全く私に教えてくれませんでした・・・

 

 

書店でも平積みなどになっていなかったので、まったく気がつきませんでした

 

 

では、何で知ったかと言えば、YouTubeの上の方に平野啓一郎氏のインタビューみたいなのがあり、そこでご本人の口から聞いて知りました・・・

 

 

どうやら、平野氏は下記の事件と、その事件を起こした加藤智大に、何か感じるものがあったようでした

 

 

ja.wikipedia.org

 

 

これだけ世間を騒がせた事件だったにも関わらず、加藤智大が死刑になったことはほとんど報道されなかったことに強い違和感があったようです

 

 

そして、加藤智大は獄中でいくつかの本を出版しています

 

 

その本を私は読んでいないのですが、(そもそも存在も知りませんでしたが、)平野氏によると、かなり理性的でまともな内容だったことに驚きを覚えたようです

 

 

そこで平野氏が強く感じたのは、何か一歩違う道を歩んでいれば、自分もどうなっていたか分からない、ということのようです

 

 

彼は実際、就職氷河期の世代のため、周囲の同級生たちが社会への出だしから躓いているところを目撃しています(京大出身にも関わらず)

 

 

一方、平野氏はは文壇の寵児として在学中にデビューして芥川賞まで取りました

 

 

彼は公募に応募せず、新潮社に個人として原稿を送り、それが評価されてデビューしました

 

 

そういうデビューをしている人は、ほぼ皆無で、いくら実力があったとはいえ、相当な幸運だったと言っていいと思います

 

 

日蝕』がそのデビュー作ですが、この作品を玉石混交の新人賞に応募したとして、必ず受賞していたかといえば、それは本当に分からないものです

 

 

素晴らしい作品であっても賞に落選するという文学的出来事は枚挙にいとまがありません

 

 

そもそも、文学に序列が難しいものである以上、数千の応募から大賞としてデビューすること自体が、神がかった確率です

 

 

おそらく平野氏はそのこともよく分かっているので、もし自分があの形でデビューしていなかったら、どんな人生を歩んでいたのだろう、と疑問を持ったのも分かるような気がしました

 

 

そして、文学でない方向の道に進んでいれば、今のような栄光を掴むことは難しく、氷河期世代の苦戦を見ていると、自分もどうなっていたか分からないという末恐ろしい感覚を覚えたのかもしれません

 

 

そういった背景を、あまり知らないで本書を読んだ方がよいのかもしれませんが、その背景を知った上で読んだ私としても納得できるほど、がこの『富士山 』という短編集は充実したものでした

 

 

 

 

結局、内容に入らずごちゃごちゃと言ってしまいました。本日は一旦、ここまでとさせていただきます。次週はいよいよ内容に踏み込んでいきます!可能であれば各短編の個人的偏愛ランキングもしてみたいと思います!!!

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