世界を旅して生きていきたいという願望が私には昔からありました
わずかでも構わないから好きな事で収入を得て旅ができたらな、と
厚かましい話ではありますが、そんな生活に憧れていました
今も憧れているものの、ちょっと叶わぬ夢と化してきています
もしかしたら、私だけではなく多くの人が夢見ているものの、なかなか実現することは難しいものなのかもしれません
ですが、やはり世界は広いものです
そういう生活をして生きている人がいたのです!
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、ピーター・フランクルという方です
『世界青春放浪記 僕が11カ国語を話す理由 (集英社文庫)』『僕が日本を選んだ理由 世界青春放浪記 2 (集英社文庫)』を読みました
世界青春放浪記というタイトルですが、そんな生易しいものではありませんでした
これはこの人の半生であり、苦闘の戦いです
ヨーロッパ人には我々の謙遜とかそういう感覚が分かりにくいものかもしれませんが、我々もヨーロッパ人の感覚がよく分かっていません
例えばユダヤ人とはどういう扱いなのか、亡命とは何なのか・・・
ピーター・フランクルはハンガリー生まれのユダヤ人で、26才でフランスへ亡命しています
それなりに裕福な家庭に生まれたようですが、ユダヤ人であることと、当時のハンガリーが厳しい社会主義だったたため、自国を窮屈さに感じるのです
そして彼には特異な才能がありました
それは数学です
数学オリンピックなどで金メダルを取るほどの才能の持ち主で、組み合わせ論という彼の専攻を理解できる人は世界でも5人程度ということです
彼は研究費などをもらいながら世界各地を旅します
本来であれば、アメリカなどで研究職に従事すれば安定した生活を望めるようだが、
彼はそれよりも他の選択をしたのです
大道芸もその1つでした
もちろん、この著者の感覚に対して全て同意できるわけではありません
著者自身もハンガリー人の自己中心的な考え方を批判していますが、やはり彼にもそういう気質があるのではないかと読み取ることができます
ヨーロッパに興味を持っている人には、とりわけ有意義な書物になるかもしれません
ちなみにこの人はちらほらテレビにも登場しているようです
私も見たことがあるような気もしますが、記憶に残っておりません・・・
いずれにしても、この人の人生が羨ましく思うのは私だけではなさそうです
とはいえ、彼と入れ替わりたいとまでは思わないのですが・・・
この本のジャンルは一体何に分類されるのでしょうか。ノンフィクション、紀行、学術、エッセー、いずれにしても、そんな区分けを気にせずに興味深く楽しく読める本です