本日から私は四連休です
全てのサラリーマンが暦通りのお休みではないので、ちょっと申し訳ない気持ちにもなります
もちろん、暦通り休みのはずなのに仕事しなければならない、、、という方もいらっしゃるかもしれません
久しぶりにまとまったお休みという方は、無駄にせず使いたいと思っているに違いありません
ちなみに職業作家を志している方は、四連休時にはどういう気持ちになっているのでしょうか
たっぷり時間があるから腰を据えて執筆をする、という方は多いと思います
ですが、ほとんどの方はなかなかそういうわけにはいかないのではないでしょうか
例えば、こんな状況が想定されます
・平日があまりに疲れすぎていて、休みのときは体力も気力もない
・家族が自宅にいて、いつもよりも執筆できる環境ではない
・やろうやろうと思いつつ、だらだらしてしまう
・書きたいが、アイデアが浮かばない
・読みたい本や見たい映画がたまっている
思い当たる節は誰でもあると思います。受験生に近い心境かもしれません
実を申しますと、私もこういうことはざらにあります
そして結局四連休に何もできずに、罪悪感が募るだけではなく、また地獄の月曜日が始まる・・・
まあ、そういうこともあります
ちなみに、そういう時に私はかつて読んだロマン・ロランの『ジャン・クリストフ』を思い出します
この物語は非常に長いのですが、人生というものを考える上で一読するに値します
十年以上前に読んだので、厳密に覚えているわけではないのですが、非常に印象的な場面があります
ジャン・クリストフは音楽の天才なので、富裕な家庭のところにピアノなどの先生として、指導することで生計をえます
ただし、この時のジャン・クリストフはまだ十代前半くらいです
すでに彼は一家の主で、母や多くの兄弟のために働かなければなりません
確か父がロクでもないか、死んでしまったかで、彼の家はすごく貧乏なので、昼は学校に行き、夜はお金を稼ぐため、ほとんど寝る時間がありません
にもかかわらず、ジャン・クリストフは家に帰ってから寝る時間を削って音楽をつくるのです
彼は同級生と比較しながら自分の人生を呪います。が、この時に何とか時間を作って出来た曲は後年に活きてきます
そして、年月が経って、彼の生活にそれなりの余裕ができてきたときに、かつてほど曲がつくれなくなっていることに気づきます
あの頃は、何もなくて必死だった。忙しいからこそ時間の大事さがわかって、短い時間でも最大限活かさなければならない、と本気で集中した。でも、ある程度時間がある状況だと人には余裕が生まれて、本当に時間がなかった時のように集中できなくなってしまう。いつも自分には時間がないと言い聞かせて追い込まなければ、いい曲なんて作れない
そのことに気づいたジャン・クリストフは、自分を戒めて作曲に全力集中します
私は自分が怠けそうな時、いつもこのエピソードを思い出します
実は、この逸話が本当に『ジャン・クリストフ』だったか断言できません。モーツァルトの伝記だったかもしれません
ただ、そんなような話が『ジャン・クリストフ』にはあったような記憶があります
このエピソードを思い出さなければ、怠惰な私はすぐにだらだらしてしまって・・・
とはいえ、やはりジャン・クリストフにはなれないので、私はお休みの日はなるべくゆっくりするために、平日に執筆関係のこともがんばるようにして、土日は休むことが多いです
平日にばかりこのブログを更新するのも、私のこの怠け癖のせいであります・・・(今日は珍しくアップいたします)
私は当時新潮文庫で読みましたが、今ではKindleで99円で読むことができます。軽いし、安いし、いい時代です。電子端末をお持ちではない方は、今は岩波文庫がよさそうです。職業作家を志す上では、彼の生き様は強く励みになるはずです