マイナーな部類に入るかもしれませんが、中公文庫というのは、質の高い本を長期的に提供してくれる、私の好きなシリーズです
なんとはなしに、中公文庫の方へ行ってしまうという方はそれなりにいらっしゃるように思います
そういう方でしたら、なんとなく宮崎市定という名前をご覧になった記憶があるかもしれません
宮崎市定さんはすでにお亡くなりになられましたが、この人の著作にはいつも感服してしまいます
どれも中国の歴史についての本だが非常に分かり易く人物も活き活きと描かれているのです
あまり中心に語られない人物を扱っているのもありがたいです
例えば『雍正帝―中国の独裁君主 (中公文庫)』とか『隋の煬帝 (中公文庫BIBLIO)』とか
その他に、もっと知られていない中国の書物についても著作はあるようですが、私もそこまでまだ読み込めていません
おそらくこの人は中国の歴史をとてつもなく愛しています
中国やそこに登場する人物たちについて、とてつもなく膨大な記憶があり、それをご本人も楽しんでいらっしゃいます
純粋に、この楽しい中国史というものを読者に伝えたいという気持ちがあるように感じました
子供のような無邪気さと学者の博学さ
宮崎市定さんよりも上手に中国の歴史を紹介する人はいないかもしれません
浅田次郎が大作『蒼穹の昴』を書き上げるのに宮崎市定さんの『科挙―中国の試験地獄 (中公新書 15)』を手本にしたといいます
宮崎市定さんの影響は学者だけではなく小説家、またはそれを通して多くの人々につながっています
私のようにあまり知識のない人間にも、面白く歴史を教えてくれる著作ばかりです。特に中国は本当に魅力的な人物がたくさんいて、四千年の歴史と言われるのも納得です。こういった中国の歴史を知ることで、一体何が得なのだ、、、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。が、、、純粋に読み物として面白いので、ふと目にとまったら手に取ってみてください