職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

『「君が代少年」を探して―台湾人と日本語教育』村上政彦

 

 

少し更新をさぼってしまいました・・・

 

 

久しぶりの本の感想になります

 

 

昭和十(一九三五)年、日本の台湾統治時代に、台湾で大地震がありました

 

 

そこで君が代を歌いながら死んでいった少年がいたという話が残っています

 

 

「君が代少年」を探して―台湾人と日本語教育 』はその少年を追いかけるノンフィクションです

 

 

一見、壮大なものを感じさせるかもしれませんが、良い意味であまりごてごてしていない日記風のノンフィクションでした

 


君が代少年だけではなく、著者の身辺のことも少なからず書いてあります

 

 

この本では、「君が代少年」について、人々にどんどん聞いていきます

 

 

そして、その聞いたことをそのままと言っていい形で載せていきます

 

 

ですが、伝聞である以上は、「君が代少年」が本当に実在したかを確認するのは至難の業ということにはなります

 

 

ですので、そういった「あの人は今」のようなものを期待して読むと少し肩透かしを食らうかもしれませんが、この本は副次的に様々なことを教えてくれます

 


例えば、親日反日の違いや、教科書の問題や、日本の植民地政策などです

 

 

非常に読みやすく、台湾と日本の歴史について、多くの問題提起を含んでいるので、そういった観点で読まれると、考えさせられることが多くあるかもしれません

 

 

そして、この本は資料的な価値もあるのではないかと思ったのは、台湾植民地時代の文献が少ない中で、きちんと足で調査されているところでした

 

 

証言という意味では、今となっては貴重な内容だと思われます

 


さらには、この著者が1つの視点に立とうとしないところも好感を持ちました

 


君が代少年」がどういう気持ちで歌ったのか・・・

 


今となってはそれを確かめる術はありませんが、台湾の方々は様々な憶測を述べてくれます

 


本当に日本を愛していただとか、君が代を歌わなければ教師が殴るからだとか

 


どちらが本当かは藪の中ではありますが、著者は発言者の言葉をそのままを紹介してくれます

 

 

資料としても貴重というだけではなく、読んでいて素直に面白い本でした

 

 

なぜ韓国は半日で、台湾は親日なのだろうか、、、と疑問を持っていらっしゃる方でしたら、ぜひご一読くださいませ

 

 

 

 

私は書籍で読みましたが、現在では書店にはもう流通していないようです。ですが、現代は便利ですね。Kindleで発売されています。さらに、Unlimitedであれば無料ではないですか!!!

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