職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

有給休暇を堪能(前編)

 
 
久しぶりに有給を取得して、一日休んで平日を自由に過ごすことにしました
 
 
どこに行こうか色々迷った挙句、前に行ったことのあるルートをもう一度自転車でまわることにしてみました
 
 
そのルートに何か特別なものがあるわけではありません
 
 
かなり古いお寺があったり、目立たない美術館があったり、博物館のようなところがあったり、という地味なところです
 
 
しかも、何となく覚えているので、目新しいものは皆無ということも分かっていながら、出発しました
 
 
ちなみにサイクリングとは言っても、私の場合は細いタイヤでびゅんびゅん走るスポーティなものではなく、ママチャリ電動自転車です
 
 
この低調な速度が心地よくて、さらに必死に漕がなくてもいいので、ゆっくりと景色を見ながら、ぼんやりすることができるのです
 
 
何かをとことん考えるのもいいのですが、頭の中を空っぽにしながら風景を眺めているというのは悪くないものです
 
 
そうやって自転車で漕いでいる時に、ちょうど二年前に私はこのルートを辿ったのだということを思い出しました
 
 
その時はヒマだっのですが、なぜかといえば、転職が決まって有給消化期間に入っていたからでした
 
 
今振り返ってみると、その時はなるべく外に飛び出ようとしていました
 
 
長く勤めた会社を辞めて新しいところに行く不安を払拭したかったのかもしれませんし、テレワークで息苦しかったからどこでもいいから外に出たかったのかもしれません
 
 
本当にちょうど二年前のことでした
 
 
ということは、新しい会社にほぼ二年になるということですが、まだあまり馴染んでいる感じはしていません
 
 
それはいいとして、私は二年前と全く同じルートを辿ることになりました
 
 
まずは古いお寺に行きました
 
 
二年経っていますが、なぜかすごくクリアに記憶に残っていて、お寺も大きな銀杏の木も、あまり懐かしさを感じませんでした
 
 
前回、かなりじっくり見たからということもあるかもしれません
 
 
紫陽花が綺麗に咲いていて、ほとんど人がいなくて、私は前と同じようにゆっくりと歩きました
 
 
そして写真をたくさん撮ったのですが、なんだか途中から、自分が嫌になってきました
 
 
なぜならば、撮りながら気付いたのですが、前と同じ場所をほぼ同じ角度から再び撮ってしまっていたからです
 
 
おそらく二年前の写真を探したら、今回と区別のつかない写真が出てくると思います
 
 
この二年に何の進歩もなかった自分を、まさしく象徴しているような気がしました
 
 
ですが、こんなところで出鼻をくじかれている場合ではありません
 
 
自転車を一時間ほど漕ぎましたが、電動ですのでまだ疲れていません
 
 
次の目的地の博物館へ向かいます
 
 
この博物館こそ何度も行ったことがあるので、もう行く必要はないのかもしれませんが、新聞の広告で、昔の街並みの絵葉書を展示するということで、立ち寄ることにしてみました
 
 
お寺からまたのんびりと自転車を漕ぎます
 
 
緑が濃く、坂道が多いところなので、ときおり森林と土の強い匂いが漂ってきます
 
 
そういう瞬間、なぜか少し幸福な気持ちになれるのです
 
 
その博物館に着いて自転車を置いて、中に入ります
 
 
その博物館は無料なのでありがたいです
 
 
ですが、どこを見渡しても、そんな絵葉書の展示場などありません
 
 
ふと思い出すと、その切り抜きは郷土博物館とだけ書いていて、私はてっきりこの博物館だと思っていたのですが、どうやら全く別の強度博物館のようでした
 
 
世の中に郷土博物館というところは、回転寿司くらいあるのかもしれません
 
 
仕方なく、お馴染みの博物館を私はまた一から見てみることにしました
 
 
ですが、これまた恐ろしいことに、こんな展示品あったっけな、、、と思うことがしばしばで、私のスペックであれば、毎日同じ博物館に行っても楽しめるのではないかと恐ろしい気持ちになりました
 
 
途中で昔の街並みを放送するビデオがあり、(それももしかしたら前に見たことがあるかもしれないのですが・・・)なかなか面白くて、30分ほど一人で見てしまいました
 
 
この博物館にも私以外にはほとんど人がいないようでした
 
 
平日の施設というのは悪くありません
 
 
こうやって、普段の行動範囲を超えた場所に立ってみると、どことなく普段の思考範囲を超えるような気がしてきます
 
 
博物館の後は美術館へ行き、備え付けの喫茶店でコーヒーを飲みました
 
 
このお店は何か落ち着く感じがするのです
 
 
美術館の静けさをそのまま連れてきたような、上品さがあるような気がします
 
 
私はコーヒーを飲み始めてから十年以上経ちますが、どの店がおいしいとかあまりよく分かりません
 
 
どのお店も美味しく感じます
 
 
ですが、一度だけとんでもない味のコーヒーを飲んだことがあります
 
 
口に含んだ瞬間、麦茶のような味がしたのです
 
 
そのお店はガラス張りでおしゃれな店だったので、意外でした
 
 
(ちなみに、そのお店はこの美術館の近くにあります・・・)
 
 
美術館の後は、昼食を食べることにしました
 
 
近くにはたくさんのお店があるのですが、いろいろ考えて街中華へ行くことにしました
 
 
街中華をご存知ない方もいると思うので、ご説明しますと、昔ながらのラーメンとかチャーハンとか炒め物を少人数(主に家族?)で経営しているこぢんまりとしたお店です
 
 
この街中華というのは、かなりの勢いで減っているようで、実感としても街であまり見かけなくなりつつあります
 
 
私の街からもほぼ消えてしまったので、近くに街中華がないか探してみることにしました
 
 
街中華を見ると、昔ながらの古本屋を見るような哀愁を感じます
 
 
私が老人になる頃には、街中華もほぼ見かけなくなるでしょう
 
 
というのも、どのお店の店主も私よりかなり年配の方のようにお見受けするからです
 
 
後継問題というものも少なからずあるかもしれません
 
 
自転車で十分くらいのところに良さそうな店を見つけたので、行ってみることにしました
 
 
長くなりそうなので、次回に続きます
 
 

 

私の電動自転車は四年くらい前ですが、ヤマハの上記モデルです。自然な滑り出しで走りやすいです。以前、ヤマハの社員の人から連絡があり、座談会に参加したことがあります。電動自転車について、率直な感想を述べさせていただきました。ヤマハさんは消費者の声をくみ取る努力をされています

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