職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

北陸への出張旅⑤

 

 

長くなってきておりますが、第五回です。前回はこちら。

 

towriter.hatenablog.com

 

 

路面電車に乗り、再び富山駅へ戻った

 

 

まずはホテルにチェックインして部屋の様子を見ることにした

 

 

前評判どおり、悪くない快適な部屋だった

 

 

だが、ぼんやりしているわけにはいかない

 

 

出張の前泊の日こそ、仕事にとらわれず最大限に時間を活かすことができるのだった

 

 

次の目的地は富山城

 

 

そこには郷土博物館も併設されているという

 

 

17時で閉園だから、一駅歩いている場合ではなかった

 

 

次は岩瀬浜とは反対方向の南に向かう路面電車に乗る

 

 

次こそはSuicaが使えると思ったが、またしても使えず200円必要なり

 

 

やむなく1000円を両替して小銭が増えてしまった

 

 

丸の内と呼ばれる駅で降りるとすぐに富山城が見えた

 

 

丸の内と言われるだけあって、もろもろの会社が集まっているようだった

 

 

それにしてもシェアサイクルがずいぶんと充実している街である

 

 

いたるところに青い自転車が置いてある

 

 

富山に住んでいたらフルに活用していたに違いない

 

 

富山城は遠目から見ても真新しくきれいだから、多くの歴史好きの気持ちを満たすことができないだろう

 

 

僕の興味は城そのものではなく郷土博物館である

 

 

入場料を払って中に入った

 

 

城に焦点をあてた博物館のようで、そういう意味ではあまり僕好みではない

 

 

市井の人たちと街、みたいなものが好きである

 

 

ただ、そういう展示もないわけではないから、行ってみるのは悪くないと思う

 

 

ちなみに時代別の地層みたいなのがあって、戦国時代の地層は最下にあってややどす黒い

 

 

戦国の足軽たちが草鞋でこの目の前の土を踏み歩いていたと想像したら、ぶるるっと武者震いがした

 

 

こういう郷土博物館は実は過去の企画展などのマイナーな書籍を取り扱っていたりする

 

 

そして僕は一冊買ってしまった。街の移り変わりの写真集である

 

 

外に出ると雨が降っていた

 

 

外国人の男性二人組の観光客が大きなカメラを手に日本庭園の池を撮っていた

 

 

片方の人はかなり厚手の服を着ていたが、それでもぎゅんと乳首が浮いていた

 

 

日本人男性が及ぶことはないだろう

 

 

グローバルレベル、そんな言葉が頭に浮かんだ

 

 

僕は彼らの間を通り抜けて、少し迂回しながら福井駅の方へと戻った

 

 

小道の奥をのぞくと繁華街のようなところが見えたから入ってみた

 

 

無料案内所やパブや飲み屋が軒を連ねている

 

 

平日だったら賑わっているのかもしれないが、日曜の昼の情景を見てしまうと、人が集まっているところは想像しにくい

 

 

個人的に富山という街はかなり好きな部類だった

 

 

駅に戻ると、前から狙っていた白えび亭という店に入った

 

 

ずっとビールを我慢していたのだ

 

 

本当は昼から飲んでもよかったのだが、その後がやけに疲れてしまうし、眠くなって散歩ができなくなる

 

 

だから夜までとっておかなければならない

 

 

白えびの唐揚げとビールのセットを頼んだ

 

 

出張の前泊というのは、これがたまらない

 

 

ビールを一気飲みした

 

 

一方の白エビの唐揚げはもちろんまずくはないのだが、そこまで大喜びするほどのものでもないかもしれない

 

 

ちなみに翌日、会社の富山事業所の人に白えびってどれくらいの頻度で食べるのか聞いてみたら、ほとんど食べないと言っていた

 

 

富山の白えびは意外と富山県外の人ばかりが食べているのかもしれない

 

 

はしごをするために次の店へうつった

 

 

そこでは富山の地酒とほたるいか、甘エビ、いかの黒づくり、げんげを頼んだ

 

 

どれも相当な美味だった

 

 

僕はカウンターにいたのだが、隣に座っているおばちゃんがものすごい大きな声で喋っていた

 

 

その隣には友人らしき少し若めの人がいて、うんうんと絶妙な相槌で聞いてあげている

 

 

たまに自分の意見を言うものの、それを否定されるから、なるほどと相手を立てている

 

 

聞き上手で立派な人だなぁと思って感心して聞いていた

 

 

二人がお会計をしようとしてレジでお金を払う時に、二人の関係が分かった

 

 

なんと二人は今日初めて会って、ただ席が隣通しだけだったと分かって度肝を抜かれた

 

 

彼女たちがいなくなってから僕も店を出た

 

 

今頃、岩瀬浜の新郎新婦と親族たちは酒席で盛り上がっているのかなと想像した

 

 

 

プライバシーポリシー