職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

有給休暇を堪能(後編)

 

 

前回からの続きです

 


近くにある街中華を検索して見つけたので、そこに向かいます

 

 

ママチャリ電動自転車で、何の変哲もない国道のような道を走ります

 


ドラッグストアだったり、老人ホームだったり、コンビニエンスストアだったりと、ありきたりな道なのですが、とてつもなく古い鮮魚店などがたまに現れたりして、少し楽しくなります

 


どんな道であっても、通ったことがない道はわくわくします

 


これは会社が休みだという事も多いに関係しているのでしょう

 


その街中華に到着して、中に入ろうとすると張り紙があります

 


「ワンオペレーションのため、提供するのに時間がかかります。お支払いは現金のみです」と書かれていました

 


そうなのです

 


街中華の店主というのは、それなりの高齢男性が一人で全てをやっていることが多いのです

 


そして、クレジットカードどころか、Suicaなどもってのほかです

 


世界が完全な電子マネー化をしたら、最初に絶滅するのは街中華かもしれません

 


中に入るとお客さんは、工場のような制服を着た男性の三人組がいるのみでした

 


私はメニューをざっと見てチャーハンを頼みました

 


街中華では基本的にチャーハン以外のものは頼みません

 


この街中華のチャーハンというのは、街中華以外で決して食べることのできない味であり、一方でそれぞれの街中華のチャーハンは味が異なっているという奇跡的な食べ物なのであります

 


フォーマット自体はどの店もだいたい同じです

 


ちょっと窪んだお皿に丸く盛り付けてあり、茶色いスープが付いているというシンプルなものです

 


ひたすら濃い味のチャーハンを久しぶりで食べることが出来て、かなりの満足を覚えました

 


これが本当に美味しいのかどうか、自分でもすでに分からなくなっていますが、たまにむしょうに食べたくなります

 


少しでも長く街中華が残ってくれることを願います

 


チャーハンを食べ終わってから、ふと店の壁を見ると張り紙がしてあります

 


「ビルの老朽化のため、近日中に退去することが決まりました。またどこかに出店するかもしれませんが何も決まっていません。30数年間ありがとうございました」

 


やはり・・・、街中華は絶滅の危機にあるようです

 


お代は970円でしたが、たまっている小銭入れを持ってきていたので、お釣りなしできちんと払うことができました

 


釣り銭のご協力を、と書かれていたので、ぴったり精算できたことに店主は少し喜んでくれたようにも見えましたが、私が勝手にそう思おうとしただけかもしれません

 


私は孤独のグルメのような気持ちで店を出て、また自転車を走らせました

 


その後は突然趣きが変わるのですが、家電量販店や中古パソコンショップのようなところに入ったりしました

 


ぶらぶらしていると自分でも改めて驚くのですが、欲しいものが何一つないのです

 


二十歳くらいの時までは欲しいものだらけでした

 


ですが、それからかなり年月が経つと、物欲は激しく減少しました

 


もっと歳をとったら、もっとモノに興味はなくなるでしょう

 


後期高齢者の方が、お店で何かを激しく爆買いしている風景なんて、あまり見たことがないので

 


ちょっとくらい欲しいものがあって買ったとしても、どうせすぐに使わなくなるということに気付き始めたからでしょうか

 

 

だから、旅先でもほとんど自分へのお土産を買うことはなくなりました

 


もしかしたら、最近はネットとか、本や音楽や映画のサブスクなどが充実していて、お金を出さなくても消費しきれないほどの娯楽があるから、いろいろなものへの購買意欲が減少してきたのでしょうか

 


パソコンやタブレットが一台あれば、無限に時間がつぶせるという時代がきています

 


そんな時代に文学はどうやって戦うのか、、、

 


ですが、そんな暗い気持ちになっても仕方ありません

 


本のサブスクで多くの人に読んでもらうという生き残り方もあります

 


そろそろ折り返し地点として、私は家の方向に向かう事にしました

 


ただひたすらに自転車を走らせます

 


暑いですが、ときおり冷たい風も混じっていたりして、気分は悪くありません

 


30分以上走り、少し疲れたので休む事にしました

 


途中でやけに高いオフィスビルが一本立っていて、一階や二階はお店があるようなので入ってみる事にしました

 


オフィスビルにしてはあまりに活気がありません

 


テナント情報を見てみると、25階くらいはありますが、かなりの割合で空きになっています

 


ですが、こういうところで働くことができたら、オフィスはがらがらで人がいなくて快適なのだろうなぁと思ってしまいましたが、私はテレワークなのでそんなことを考える必要はないのでした

 


持ってきていた水筒の水が空になっていたので、そこの自販機で缶のハチミツレモンを買って、水筒の中に入れました

 


貧乏くさいかもしれませんが、こうしておけば、ずっと冷たいままをキープすることができます

 


その後は、マッサージに行こうと思い、二店ほど飛び込んでみましたが、どこも満室でした

 


平日とはいえ、人気があるのですね

 

 

マッサージにはほとんど行ったことがないのですが、予約をしないと入れないものなのかもしれません

 


残念な気持ちと同時に、余計なお金を使わなくて済んでちょっとホッとしていたりして、自分でもわけが分かりません

 


それからは自宅の近くの公民館のようなところ(無料)で、ハチミツレモンを飲みながら、この文章を書いたり、次の作品の構想を練ったり(ぼーっとしているだけ・・)しました

 


この施設も平日のためかほとんど誰もいませんでした

 


ここは、この地にまつわる文豪の紹介とかしていて、個人的にはすごく気に入っている場所であります

 


ということで、私の有給の一日もそろそろ終わりとなります

 


あいかわらず、特に内容のないブログになってしまいましたが、お付き合いいただき、ありがとうございました

 

 

愛すべき街中華屋さん。おいしかったです。こういう写真がいつか過去のものになりませんように



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