職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

北陸への出張旅⑧

 

 

なんと、もう八回目なのですね。もう少しお付き合いいただければと思います。

 

towriter.hatenablog.com

 

 

永平寺ではずっと雨が降っていたが、福井駅に戻るとすっかり上がっていた

 

 

そして僕は旅を中止して一旦はまた仕事に戻らなくてはならなかった

 

 

神をも恐れぬ素早さと大胆さで僕は仕事を片付けた

 

 

一仕事を終えた頃、天気はさらによくなっていて青空まで見えたりしている

 

 

素晴らしい

 

 

ホテルへ向かいまずはチェックインをする

 

 

部屋は富山の時よりは劣るがこれくらいであれば何のその。全く問題はない

 

 

そして休む暇もなく外へ出撃する

 

 

ちなみに富山では二万六千歩ほど歩いていた

 

 

僕は旅行に行くとそうとう歩く

 

 

どこまでも歩いて行って地元の雰囲気というものを知る

 

 

まずは福井というところを骨の髄まで感じ取らねばならない

 

 

意気揚々と、まずは特に目的も決めず外にでる

 

 

とりあえず駅の方ではない方向へ向かってみる

 

 

それにしても人がいない

 

 

富山を超える人口密度の薄さかもしれない

 

 

とりあえず歩いていると、目の前に神社が現れた

 

 

何やら由緒ありそうなところだが、妙齢の女性が立て続けに、かなり真剣にお参りをしているから、なんかふらふらとご挨拶するのは控えておいた

 

 

なぜ彼女たちが真剣に思えたかといえば、一人しかそこに居ないにもかかわらず、ものすごく深々ときちんとお辞儀をして、お願いをした後に再び同じくらい丁寧にお辞儀をして去っていくからだった

 

 

尋常じゃないくらいに厳粛な感じがしてきた

 

 

すぐに影響されてしまう

 

 

そのあとは大名なんとか町というちょっとした昔の繁華街のようなところを歩いてみたが、店自体も少ないし開いてもないし特に楽しくない

 

 

すると川が現れた

 

 

どの田舎町も流れている川は美しく素晴らしい

 

 

夕日もよく映えている

 

 

だがうっとりとしている場合ではない

 

 

もっと探索せねばならないが、どれだけグーグルマップを見ても特に見どころがないではないか

 

 

仕方ないからもう一度駅に向かって歩くことにした

 

 

するとこれまで気付かなかった屋根付きの商店街があった

 

 

だが、少し歩くと完全なシャッター商店街で、欠片の魅力もないことが分かった

 

 

店主とその友達らしき福井の男の若者たちが自分の店の前でタバコを吸いながらたむろっている

 

 

僕が通ったらこっちをじっと見ている

 

 

そういう男たちがこの商店街には三組くらいいた

 

 

こういう通りは誰も寄り付きたくもないし、彼らの未来は暗いと思ってしまった

 

 

彼らの目や態度を見ていると鬱屈しているだろうことは想像に難くない

 

 

地元にたむろするのではなく、その感情をできるだけ早く外に向けて可能な限り挫折した方がいい

 

 

おそらく、ほとんどの福井の若者は県外に出ているだろう

 

 

というのも、日中の福井駅近辺の高校生は奇妙なほど多い

 

 

これだけの数の子供たちがいるわけだが、それに比して大人の数が少ない

 

 

ということは彼らは卒業したら福井から出て行っているのだ

 

 

福井駅は地元の多くの高校生たちによって占拠されている

 

 

この辺りでは福井駅しか遊ぶところがないし、最も刺激的な場所なのかもしれない

 

 

本来は観光客などのために用意されているベンチにはどれも高校生が座っている

 

 

まあいいでしょう

 

 

ところで駅前に二階建てのスカイバスが止まっている

 

 

屋根のない赤いバスだ

 

 

本来は乗りたいのだが、雨が少しだけ降っているからやはり乗る気にはなれない

 

 

残念である

 

 

西武デパートなどもあるが年寄りの人が座っているだけで、活気らしいものは見当たらない

 

 

空には晴れ間が広がっていた

 

 

北陸はやや薄暗いイメージもあったが晴れればなんのことはない。どこも明るくて安心させる青空が見えるものである

 

 

かなり町を歩いたが、福井駅周辺にはこれといった特徴は見いだせなかった

 

 

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