職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

アンコンシャス・バイアスという概念(前編)

 

 

最近、しばしば耳にする言葉で、気になっているものがあります

 

 

それは、”アンコンシャス・バイアス”という言葉です

 

 

英語で記載すると、”unconscious bias”で、日本語で言うと、無意識のうちにある思い込み、とでも言うのでしょうか

 

 

これは、どういった経緯で発生したかと言いますと、とある世界的な有名IT企業が発端のようですが、人種や性別の偏見を是正するために用いられた概念のようです

 

 

もう少し具体的に申しあげてみます

 

 

下記の文言を聞くと、どちらの性別を想定しますでしょうか?

 

 

・メカに強い

 

・優しくて家庭的

 

・優秀な外科医

 

・気配りのできる秘書

 

・スレンダーな体

 

・野性的なくちびる

 

・すさまじい怪力

 

・ふくよかなヒップ

 

 

いかがでしょうか。多くの人がほぼ男性か女性どちらかの性別を思い浮かべたのではないでしょうか

 

 

こういったものが、偏見と差別を生み出してしまう、というわけです

 

 

例えば、男のくせに重い荷物も持てないのか、

 

 

例えば、女のくせに料理も作れないのか、

 

 

などという、硬直化した思考を持たれてしまうと、そうではない社員にとって、その職場では働きにくくなったり、モチベーションの低下が生まれてしまうというわけです

 

 

性別だけではなく、世界的企業だと人種の問題もあり、さらに複雑になっていきます

 

 

私も詳しくはありませんが、有色人種の人たちはXXだとか、XX教を信仰している人はXXだとか、XX国の人たちってXXだとか、きりがなく邪悪な偏見が生み出されてしまうのかもしれません

 

 

そうやって傷ついてしまった優秀な社員に去られるのが、企業としては”痛い”というわけです

 

 

なので、アンコンシャス・バイアスという概念を用いて、グローバル企業は多様化しつつある従業員を守っていきたいと考えます

 

 

そして、それ自体は高い志なのかもしれません

 

 

とりわけ昨今は、マイノリティを守ろうとする動きがあります

 

 

皆様もLGBTなどでご存じのことと思います

 

 

ダイバーシティというのもよく目にするようになりましたが、いわゆる多様性を大事にしようという流れがあります

 

 

その流れは健全なのかもしれませんが、この”アンコンシャス・バイアス”を意識的に排除しようとすることは本当によいのか、私には疑問が生まれました

 

 

例えば、オフィスに三十キロの重さの段ボールがあるとします

 

 

ふと近くを見ると、二人の部下がいます

 

 

一人は、筋骨隆々の元ラガーマンの20代男性社員。もう一人は、40代の細身の女性社員。例えばの話です

 

 

考えてみれば、前もラガーマンには力仕事を頼んだから、毎回彼にお願いするのはフェアじゃない。だから、今回は女性社員にお願いしよう。なぜなら、彼女は女性だし痩せているが、だからって力がないと判断するのは、無意識の偏見だろうからだ

 

 

「もしかしたら、彼女はとてつもない怪力かもしれないじゃないか。女性だからひ弱だと考えるのは、偏見にすぎない。今回は公平に彼女に頼んでみよう」

 

 

この判断は、アンコンシャス・バイアス上ではおそらく正しいでしょう

 

 

次のこれはいかがでしょうか

 

 

どうしても急ぎの案件がある。今日の午前零時までには提出しなければならない

 

 

ふと近くを見ると、二人の部下がいます

 

 

一人は、30代男性でエースと呼ばれる独身の男性。もう一人は、十歳以下の子供を二人持つ女性社員

 

 

「いつもいつもエースには仕事をお願いしてしまっている。彼だって彼女とデートしたりしたい日があるだろう。一方で女性の方はいつも子供や家庭の事情で定時に帰っている。だが旦那さんだっているわけだし、徹夜になるかもしれないけど、たまには彼女に仕事を与えることにしよう。家庭を持っている女性だからといって、難しい仕事を回避したいと思うなど、私の勝手な思い込みでしかない。今日は彼女に徹夜してもらおう」

 

 

これはいかがでしょうか。なるべく無意識な偏見を除外するために、この上司は必死に”仕事をアサインする上での公平さ”を遵守しようとしています

 

 

続きは次回となります

 

 

 性差の問題について、最も初期の作品はこれなのではないかと、かつて世界史の授業で教わった記憶があります。薄くてすぐ読むことができるのですが、ずいぶん前に読んだので中身の記憶がおぼろげです・・・。再読します

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