職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン アリエリー(中編)

 

 

前回からの続きです

 

【3章】

あなたはどちらを選びますか?考えずに瞬時に答えてください

 

①無料で1000円分のアマゾンギフト券をもらう

②700円払って2000円分のアマゾンギフト券をもらう

 

いかがでしたでしょうか。①を選んでしまった方もいるのではないでしょうか

 

合理的に考えれば②であることに間違いはありません(もちろん、アマゾンで買い物は絶対にしたくないので無料であっても1円も使わない、というような方は②ではないのでしょうが・・・)

 

これは人は無料というものにとてつもなく弱くて、正しい判断をくだせなくなるという例です

 

ちなみに、知り合いに聞いたところ、一人は①と答えて、もう一人は②と答えていました

 

確かに不合理なのに、①に引っ張られる気持ちは分かります

 

【4章】

ある人たちに「コンピュータ上で、左の円をつかんで(ドラッグ)右の四角に置いてして(ドロップ)ください。それが終わると再び左に円が出現するので、同じことを何度も繰り返してください。回数が多ければ多いほどいいです」という例題を出します

 

・グループ1:この作業をする前に500円もらう

・グループ2:この作業をする前に50円もらう

・グループ3:お金は与えられずに「力を貸してほしい」とだけ言われる

 

さて、どのグループが最も生産性が高かったでしょうか、、、という話です

 

平均値ですが、このようになりました

 

グループ1:159個、グループ2:101個、グループ3:168個

 

これはなかなか興味深い結果です。つまり、金銭が発生した方がやる気がなくなる場合があるということになります

 

これを市場規範と社会規範という言葉を使って、本書では説明されます

 

例えば、恋人とセックスをした後に一万円を渡すとします

 

これまでは恋人という市場規範の文脈だったものが、金銭を支払うことで市場規範が乱入してしまいます

 

お金を渡さなければ、普通の恋人の関係でした

 

そして、人は一度市場規範を当てはめてしまうと、その後に社会規範に戻そうとすることはすごく難しいそうです

 

前述の例でも、一度お金を払おうとしたら、その恋人は怒って修復は難しくなるに違いありません

 

つまり、我々は「この文脈が市場規範なのか、社会規範なのかを適切に判断する」ことが必要です

 

本書でも具体例として挙げられてますが、よく会社が「従業員は家族です」と言ったりします

 

ですが、通常の会社の労働とはそもそも給料が支払われ役職などが存在する以上、市場規範の文脈なわけで、その文脈で家族という社会規範を求めようとしている時点で、論理は破綻しているというわけです

 

確かに、「休日のスポーツ大会」「社員全員でご褒美旅行」などといって、会社への忠誠心を上げようとする会社もありますが、個人的にそれが成功した例を見たことがありません(むしろ離職率が高い!?)

 

それは、市場規範で成り立っている関係に、突如として社会規範を挿入するという過ちがあるからです

 

ですので、あくまで会社は従業員に対して社会規範を求めず、シンプルに「会社の利益が五億円上がったから、全員に5万円ずつプレゼントします」という市場規範にのっとった方が、従業員の満足度はあがるわけです(少なくともご褒美旅行よりは・・・)

 

史記孟嘗君は自分が宰相を下ろされた時に、大半の食客が 自分のところから去っていってしまいました

 

そして孟嘗君がまた宰相に復帰した時、ふうかんという人が、前に去っていった食客を呼び戻す提言をしたら、孟嘗君は強く反対しました

 

孟嘗君からしたら彼らは裏切り者です

 

ですが、ふうかんは市場を例にとりながら孟嘗君を諭します。朝は品物が充実しているから人は市場へ行くわけで、夕方は品物がなくなるから人が来なくなるだけです。人々は好き嫌いで市場へ行くわけではありません

 

会社では特に、この市場規範なのに社会規範を混同してしまう場合がよくありますね

 

また長くなっておりますので次回へ。。。

 

 

自分でこの本を読み返しながら、この記事を書いているわけですが、やっぱり興味深いですよね。自分も不合理なことをよくしているなぁと、自分自身で反省しながら復習しております

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