職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

転職といふもの(中編)

 

 

前回からの続きです

 

会社を去っていく人の中にはクビになった人もいますし、転職を決めた人もいますし、とりあえずは嫌になって辞めたり、病気で辞めたり、と様々でした

 

私の目からはみんな新しい道への希望を胸に去っていくように見えましたが、必ずしも100パーセント晴れ晴れしている人なんて、きっといなかったんですね

 

私はそのことを全く気付いてあげられませんでした

 

去る人たちがどれだけポジティブな気持ちで外へ出ようとも、一抹の、(もしくはもっと大きな)哀しみがあったに違いありません

 

そして、昨日今日で辞めることを決めたわけではなく、それなりの葛藤を経て、転職活動をしたりして、面接の緊張感があって、内定の連絡で安堵を覚えて、次の職場でうまくいくか不安を感じて。。。

 

そんなストーリーを背景に会社を去っていたわけで、単に「辞めれたー」、というシンプルなものではなかったのです

 

そんなことにも気付けていなかった自分に、今更ながら驚愕しております

 

もし私がそのことを知っていれば、彼ら彼女らに対してもう少し異なった態度ができていたように思います

 

それはなんと言うのでしょうか、より去る人の気持ちを強く共感できて、もう少し違う言葉を放ってあげることができたに違いありません

 

自分が退職をするという行為を通じて、たくさんの気付きがありました

 

やはり長いこと一社にいると、もう視野がぎゅーっと縮まってしまっています

 

しかも、その収縮は本当に日々ゆっくりとじんわりと締めつけていきますから、本人は何が変わっているかほぼ気付くことができません

 

そして、本来であればこの広大な世界が、まさしくミニチュアみたいに、その会社の中の、そこにいる従業員のみで、自分の人生が構成されてしまいます

 

考えてみればこれはおそろしいことです

 

実際、仕事がしんどすぎて精神的な病を患い、自ら命を絶つ方がおられますが、まさしくこの収縮の果てだったという気がします

 

前回書かせていただいたスポーツ店のキックボードの人的な生き方に、気付くのが難しくなってしまった状態ということかもしれません

 

でも、どんな職業についていようとも、多少なりとも給料をもらうことができれば、飢えて死ぬことはないじゃないですか

 

安くてもそれなりに美味しいものはきりなくありますし、タワーマンションであろうが、六畳一間であろうが、眠ったら同じです

 

「ああ、世界はこうやっていろんな人がいろんなところで、いろんなことを考えながら生きてるんだな」と気づけること。それも一時的ではなく、恒久的に理解し続けること。それが大切なように思います

 

一つの会社に長くいれば、それなりに給料が上がるでしょうし、立場も上がるでしょうし、仕事も熟知しているでしょう

 

そうなると、このアドバンテージを活かしたくなるあまり、他の会社へ行くという選択肢がどうしてもマイナスに見えてしまいます

 

そうなると、やはり人生が一本道に狭められてくるので、気を付けた方がいいです

 

自分が人生に絶望的な気分を味わわせないようにすることは、極めて重要です

 

特に転職のすすめをしているわけではありませんが、現職で苦しんでいて、そのために人生が色褪せている方がいらっしゃれば、飛び出すべきタイミングかもしれません

 

 

最近、これを買いました。ものすごく軽いですし、つまみのところにスマホを立てることができます。主に外出用です。スマホとこの膝上テーブルとBluetoothキーボードで、椅子さえあれば、どんなでも書斎となってくれます

 

 

 

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