先日放送された『7年ごとの記録 35歳になりました』を見たので、感想を書いてみたいと思います
録画をしていたので何度か繰り返して見ました
私が気になっていた北方領土出身の祖父を持つ女性も無事に35歳になっていました
話すのがあまり得意ではないとご本人は言っておられましたが、しっかりと話していて成長された姿を見ることができました
どの人たちも、「ああ、こんな風になったんだぁ」としみじみとしました
一度目に見た時は、久々に再会できた喜びというシンプルな感情だったのですが、二周目、三周目と見ていくと、落ち着きを取り戻して少し冷静な見方ができてくるものです
ご存じの通り、この番組は7歳、14歳、21歳、28歳、そして35歳の瞬間を切り取って放映するというものです
前から見ている人たちだけのためではなく、今回初めて見る人にも分かりやすいように、7歳のときのVTRから放送してくれます
そういう構成のため、1時間15分に10人を収めようとすると、必然的に現在の35歳の映像はかなり少なくなってしまいます
それでも、彼らが話している姿を見ていると、その表情や語り口で現在の状況を何となく推測してしまうものがあります
例えば、28歳の時にCAでがんばっていた女性がいました。今回このコロナになって、CAの彼女は仕事がどうなっているのだろうか、と勝手に私は心配していましたが、彼女はすでにCAを辞めて子育てをしていました
彼女は幼少期から塾や習い事をたくさんしていて、いつも目の前の受験だとか就職活動などに必死に生きていました
だから、当然のことながらCAとしてずっと生きていくと私が勝手に思っていたのですが、30歳で辞めていました
そして、34歳で出産して今は毎日子育てで忙しくしています
芝生のようなところで、彼女が話しているところが放映されただけですが、育児が大変なのでしょう。ひどく疲れた顔をしていました。そして、いつも何かに必死だった彼女の瞳には常に輝きのようなものが宿っていたのですが、今回のインタビューではそれが完全に消失していました
(これは全く悪い意味ではありません。人生で誰もが通る道という意味で必然的なものだと思うので)
そういう意味で、彼女は今回の35歳という放送で象徴的な存在だったかもしれません
というのも、私が今回の放送でうっすら気付くことができたのが、「全く違う場所で生まれて違う環境で育ったにも関わらず、それぞれの精神的遍歴はなんと似ているのだろう」ということです
7歳は無邪気です。14歳は戸惑いがありました。21歳になると野心なり強い気持ちが表れています。28歳になると自信が増しています
そして、35歳はどうなるのだろう、という興味を持って今回の放送を待ちました
私が彼ら彼女らから感じたのは「自分への諦念」でした
結婚していない人、結婚した人、子供が生まれた人など、それぞれいらっしゃいました。笑っている方もいれば、少し不機嫌そうにしている人もいますし、あくまで平静を装っている方もおられます
ですが、個人差はあるものの35歳の皆さんは、7年前に比べると自分というものの限界を悟ったように感じました
仕事で思ったような成果が上がらなかった自分
家族や子育てに縛られて、もう自由ではない自分
他の人生はありえなくて、もうこの職業でやっていくしかない自分
島の人口が減ってしまっても、自分の力ではどうしようもないと気付いた自分
などなど。夢を語っていた彼らの大半は、中年になり、もう夢や将来の話はしません。自分という人間の限界に気付き、それを諦めと共に了解した上で生きはじめている。そんな印象でした
これは、大人として強さを手に入れる第一歩なのかもしれません
環境や個人差によって、精神的な過程に多少の前後はあると思いますが、自分の人生と照らし合わせても、そういう過程には抗えないのかなという気がします
次回は7年後の2027年ですね。彼らは42歳です
未来の彼らはどんな感情で生きているのでしょうか
以前出演していた方が、今回出なくなっているという話も聞きました
芸能人でもないのに、7年ごとにテレビから追われるというのは、それだけで強いプレッシャーがあると思います
ですので、次回また姿を見せてくれるだけでありがたいものです
皆さんそろって7年後にまたお会いできたら嬉しいです。少なくとも私は彼ら彼女らを親戚のように応援しています