職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

『NHK「100分de名著」ブックス ブッダ 真理のことば』

 

 
『100分de名著シリーズ』は名著です
 
 
これまで何冊か読みましたが、やや難解な書物を非常に分かりやすく解説してくれます。
 
 
読み終わった後に、さらに理解を深めるために読んでもいいですし、まだ読んでない本を予習しておくのも有効です
 
 
 
 
以前、きちんと二度寝するにはどのような方法が有効かという、誰の役に立つか分からない記事を書きました
 
 
 
 
まさしく、その枕頭の書として有効かもしれません
 
 
というのも、この本は平易な文章で書かれていますが、しっくり理解するのは難しいからです
 
 
この一節は自分の頭で考えてみると、一体どういうことを言っているのだろう、と深くもぐりこんでいくと、いつの間にか眠っているというわけです
 
 
(あまりよい読書の方法ではないかもしれませんね・・・)
 
 
そして、翌日の夜にまた同じところからはじめて、もう少し理解しようと前後の文章を再読していると、思考に深くもぐってしまい、いつの間にか眠っていて、これは永遠に読み終わらないのではないかと恐怖を感じた日もありました
 
 
最終的には当然読み終えることができたのですが、なかなか抽象的で何かを理解できた感じはほとんどありません
 
 
仏教というのは頭で理解するというよりは、体で実践するものなのかもしれません
 
 
私がこの本で圧倒的に印象に残っているのは、「執着を捨てる」という第三章です
 
 
ある部分において、執着を捨てよと言っている宗教は多くあるのでしょうが、あらゆる執着を捨てよとまで言っているのは希有かもしれません
 
 
(例えば、現代では当たり前のように大切とされている家族や子供への愛情ですが、仏教では余計な執着とされています)
 
 
そもそも、仏教というのは人生をとてつもなく辛いものだと規定しています
 
 
仏教のあらゆる発想は全てそこからきています
 
 
だから、輪廻を断ち切るだとか、執着を捨てるだとか、諸行無常とか無我とか言います
 
 
私はとりわけこの執着を捨てるという考え方が好きです
 
 
なぜ自分は今こんなにしんどいのかなと思う時は、たいてい何かにとてつもなく執着していることが多いように思います
 
 
例えば、家族なり恋人なり誰かを愛しすぎている場合、喪失はとてつもないことになります
 
 
何かが欲しいのに貧しくて買うことができないとき
 
 
なぜか分からないけど、とてつもない孤独を感じるとき
 
 
会社がとてつもなくしんどいとき
 
 
お腹がすいて仕方がないとき
 
 
対象となる執着を捨てることができれば、心は軽くなるはずです
 
 
なかなか無茶な話ではあります・・・ので、仏教と合わないと思われる方がいるのも分かります
 
 
そういうあらゆる人間の煩悩というか、執着を持って持って、ぶつかって争って、失って、勝ち取って敗れ去って、そういう火花こそが人生の醍醐味だという意見もあるだろうからです
 
 
そして、私ももう少し若かった時は、そういう気持ちが多分にあったように思いますが、やはり年を重ねるにつれて、そういった野望や闘争心のようなものは下降してきていることを実感します
 
 
この著者は大学で教鞭を執っているようですが、生徒の数はぐんぐん減っているものの、年配の生徒は増えているとのことです
 
 
この仏教の境地というのは、それなりに年と経験を重ねて、まさしくブッダのように人生とはそもそも苦しいものであるという前提に立つことができた人にだけ、何か響くものがあるのかもしれません
 
 
 
このシリーズはテレビでもNHKでやっていたりしますね。テレビを見て、このシリーズを読んで、実際の書物を読むと、理解はかなり深まると思います。特にこういった思想的な本は、独力で理解するのが困難なので助かります
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