先日、ゴッドファーザーを全て見終わりました
最高傑作は1だとか2だとかいろいろな意見があるようですが、私は1も2も3も、どれも好きでした
全てが揃って完結するという感じもしましたので、1から3まで全て見た方がいいと思います
誰しもが分かっていることかもしれませんが、これは完全にマイケルの物語だったのですね
ゴッドファーザーというタイトルも、歴代のゴッドファーザーを意味するのかと思っていたのですが、おそらく”ゴッドファーザー”というのは、あらゆる意味でマイケルのことを指すのだと思われます
最初の長い結婚式のシーンも全てはマイケルの生涯の布石で、この後に似た状況が繰り返されたりします
1から3にかけては、二十年近くの時間差があることも、この作品に重厚さを与えているのでしょう
役者のそれぞれが実際に老化しているので、特殊メイクだけでは表現できない人間の老いも忠実に再現されています
最初の登場人物たちは歳を取り、新しい命が生まれ、次々と勢いのある若者が現れます
かつてはマイケルも勢いのある若者でしたが、本人は老いていき様々なものを失っています
ですが、視聴者は知っています
今若くてマイケルを超えようとする若者たちもまた数十年後には同じように老いていき、次世代の若者に駆逐されていくのです
もちろん、私たちは自分の実体験からも、そのことを知らないわけではありません
スポーツの世界でも、将棋でも何でも、世代交代というのはあらゆるところで見られます
身近なところではご自身の親の老いも感じるでしょうし、お子さんをお持ちの方は子供から勢いを感じることもあるでしょう
ですが、この映画を見ると果たして自分はそのことを本当に知っていたのだろうか、と疑問が湧いてきます
世代交代だとか栄枯盛衰というのは本当はもっとシリアスで、人間としての存在価値が脅かされるような恐ろしい出来事なのではないか、と
大半の人々の生活には、マフィアが絡んでいないことでしょう
ですが、このマフィアという組織を通じて、より人生の構図が見えやすくなる、、、私にとってゴッドファーザーとはそういう体験でした
良い小説もいいですが、良い映画もいいですね
素敵な映画を発見するというのは、人生でも至福の時だと感じました
みなさまにもそういう発見ができるよう、及ばずながらこれからもいろいろとご紹介させていただきたいと思います
あれだけ若くて冷徹で冷酷で冷静だったマイケルが。。。でも、そこが人間らしくてとても好きです。そういえば、会社でとてつもなく厳しかったおじさんが、さらに年をとってなって、別人のように丸くなっていました。いや、すみません。ちょっと比較対象としてはお粗末でしたね・・・