最近あまり執筆関係のことを書いておらずすみません
というのも、私自身が次の作品を書いている最中で、いささか暗礁に乗り上げている状況があり、あまり執筆について何かを言いたくない心境なのかもしれません
今取りかかっている作品は、あるていど資料の収集が必要だったので、書き始める前にある程度の書籍を読み、構想を練って、ようやく書きはじめているという状況です
ちなみに、この作品は数年ほど前に途中で空中分解をしながらも、なんとか仕上げたけれど、全く納得がいかなかったので、どこにも出さずに保留していたものでした
全面的に変えることによって、生まれ変わる予感がしたので、今回手を加えてみることにしました
ですが、アイデアだけでいきなり書けるわけではありません
かつ、以前のものを別の作品として生まれ変わらせるのは、案外難しいものです
というのも、一度完成していることもあって、流用できるところはしたい気持ちがありつつ、前回と同じ過ちを繰り返さないように別の作品に仕立て上げなくてはなりません
まあ、単に私が前作を勿体ながっているだけなので、前回のことは忘れて一から書き直せばいいのだとは思います
旧作の良いところと新しい発想を融合させたいという気持ちを拭い去ることができないわけです
なので、構想というか、どのようなプロットにするか、登場人物にするかなどを、新しい観点でずっと練っていました
そして、いろいろな課題を乗り越えることができると確信してから、執筆をはじめて途中までは順調でした
ですが、途中で何もかもが薄っぺらく感じてしまったのです。我ながらなぜだろう、なぜだろうと考えていると、登場人物の何人かの実体が、私自身あまり見えていなかったというのがあります
ですので、それらの登場人物が一体どういう背景でここに至ったのか、何を考えて過ごしてきたのか、どういう両親で兄弟構成は何で、彼ら彼女らの人生で最も大きかった出来事とは何か、、、などをもう少し深掘りをしていく必要があると気が付きました
彼ら彼女らに対して、愛情を抱く作業とでも言いましょうか・・・
物語に膨らみがなくなっている場合、おそらく足りないのは、ストーリーのアイデアなどではなく、主人公以外の登場人物たちに対して、ディテールをきちんと配置してあげられていない、というのが原因の一つとしてあるかも知れません
ただ、これはまた別の物語をもう一つ作るくらい、なかなかにタフな作業です
いわゆるまた違う人生を想像するので、同作品に登場する他の人物に引っ張られないようにしながら、全く別の人生を想起しなくてはならないわけなのです
こういった工夫をしていかなくては、物語に膨らみは生まれません
逆に、こういったことを丁寧にきちんとしていれば、無理にストーリーの起伏を生み出さなくても自然に生まれてくるのではないか、と思うこともあります
結局、小説の全ては人間ということなのかもしれません
なんて、ごちゃごちゃ偉そうに言っている場合ではありません
その登場人物の中の一人は外国人ということもあり、もっともっと調べたり考えたりしながら、この作品を大切に育てていかなくてはなりません
突然ですが、お線香というのはなかなか火がつきにくいじゃないですか
ずっと火を当てているのに、なかなか燃えないし、ようやく燃えたとしても火が乗り移っているだけで、煙が出てきません
やっと煙が出てきたら、他の線香と合わせて消えないように大切に墓石の前へと置きます
ある程度まで燃え移ると安定してくるので、ようやく墓前に手を合わせることができます
小説を書き切るというのは、そのお線香の過程に似ているかも知れない、、、なんて少し思ってしまいました(いや、ちょっと違いますかね・・・)
この本、ずっと絶版で、古本屋で見つけても状態が悪いことが多かったんですよね。キンドルで発見してすぐに買ってしまいました
あと、下記の記事を紹介させていただきます。個人的にすごく興味深かったです。プロの作家の方でも、途中で挫折してしまうことはあるんですね。そして、再び蘇らせるという意味でも参考になります