職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

作品の着手から完成まで(その3)

 

 

本日は、構成からです

 

~~~構成~~~

 

前述したとおり、着想の時間が長ければ長いほど、構成はスムースになります

 

逆に着想をあっさり済ましてしまうと、この構成フェーズではそれなりの苦戦を強いられることでしょう

 

実際、私の経験でも貧弱な着想で構成に臨むと、かなり高い確率で最後まで書ききることができません

 

だったら着想は構成よりも重要なのかと言われると、それが難しいところで、そんなこともありません

 

この構成をうまくやらなくては、着想を台無しにするだけではなく、この後の執筆フェーズで必ず苦しむことになります

 

では、構成はどうしたら上手にできるのでしょうか

 

私はエクセルを使っています。構成をまとめるのにエクセルほど有用なものはありません

 

お仕事などでも使っている方も多いと思うので、その場合はすぐに慣れることができるでしょう

 

エクセルでやることはシンプルです。それぞれのタブ(シート)にわけて、着想や構成を入れていくのです。どのように書いていくのかは、本人がやりやすい方法でいいと思います

 

ちなみに私は下記のようなタブに分けることが多いです

 

・タイトル候補一覧 ⇒ 思いついたらその都度メモをしていく

・プロット流れ ⇒ 基本的にはざっくり書くものの、可能であれば本文に転記できるくらい細かく

・登場人物一覧 ⇒ 可能な限り詳細に書く。年齢、他人物との関係、職業、それぞれの人物が普段考えていること、などなど

・登場人物年齢と年表 ⇒ 登場人物間での年齢差などの整合性をとるため

・作品の構造 ⇒ 対称となっている構造、韻を踏んでいる構造、伏線の回収など、自作の構造に自覚的になるため

・現在時点での課題一覧 ⇒ 今足りていない情報は何か、どんな書籍を読めば理解できるか、主人公の職業が決め切れていない、登場人物の数が少なすぎる、などなど

・参考文献一覧 ⇒ 書いておくとあとあと便利。どこを参照したのかのページなども書いておくといい

・心がけておくべきこと ⇒ この作品を創る上で、自分の心にとめておくべきこと(例えば私であれば安直に結末を急がない、会話は説明のために使用しない、などの基本方針)

 

上記、一般的な内容を書きましたが、これにこだわる必要はありません。自分が課題と思っているものをそのまま1シート追加してもいいと思います

 

例えば、ある植物に異常に執念を持っている人の話を書くとしたら、その植物で1シートもうけるのです。実在するのでしたら、Webでも書籍でも調べた内容を徹底的にまとめます。実在しないのであれば、そのディテールをそのシートに埋めまくります

 

そうやって物語に必要な部分や部品、要素を探して膨らましていくのです

 

もしかしたら、執筆よりもこの構成に時間がかかるかもしれません。そして、私の経験上では、この構成に最も時間をかけた作品の方がクオリティが上がるような気がします

 

自分の予選通過の経験と照らし合わせると、最終選考まで残ったものは着想を膨らませて、構成に長い時間をかけました

 

着想⇒構成⇒執筆⇒書き直し、というフェーズの中で最も重要なのは執筆だと思われる方も多いかとは思いますが、私はむしろ前半に重きを置くべきだと考えております

 

ある男

ある男

 

 

 現代作家で構成といえば、この人が最初に浮かびます。この小説も、どれだけ構成を練りに練っているか、読みながらうなってしまいます。物語の面白さを損なうことなく、物語の深みもあります。頭で書きすぎている作家かもしれませんが、そういう人はむしろ希少で、同じ時代の読者であることに感謝です

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