職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

『ションヤンの酒家』池莉

 

 

おそらく、、、ですが、人は幸せになりたいと願っていて、そのために切磋琢磨しているのだと思います

 


問題は幸せとは何なのかということになってくるのかもしれません

 

 

ある人は老後を悠々自適に生きるためにせっせと金を貯めています

 


ある人は野球で生きていくために必死に練習をします

 


ある人は太く短く生きるために、今を楽しく?暴飲暴食をします

 


幸せの内実が異なっているにせよ、どれもこれも人々は幸せな状態を目指そうとしているのでしょう

 


この『ションヤンの酒家』が特に幸福について語っているわけではありません

 


どちらかといえばそこだけ避けるように書かれているように思えました

 


現代中国のお話です

 


ションヤンは飲食店を切り盛りしています

 


ションヤン目当てに来る客もいるほどの人気ですが、境遇はそれほど楽ではありません

 


兄はがめつい嫁の言いなりでしかなく十歳になる息子をションヤンに預けて遊びほうけます

 


父はどこかの若い女に夢中になり家を出て行ってしまいます

 


父がいなくなった後、弟を必死で育てるも、弟はドラッグ漬けになります

 


そしてこの街も再開発の波がきて、屋台街が取り壊されようとしています

 


ションヤンは、あることは力強く解決し、あることは適当にいなします

 


彼女はあからさまに長所も欠点もさらけだしています

 


この本の良さはションヤンの力強い人物に尽きるでしょう

 


ションヤンの生き方によって、読者は幸福について再考する機会が与えられます

 


映画の『ションヤンの酒家』もかなり好評のようで、本よりこちらの方がいいと言う人もいるようです

 


(残念ながら、私は映画を見たことはありません)

 


読み終わった後は、チャイニーズタウンのいかにも中国的なざわざわした喧騒の中を通り抜けてきたような感覚になります

 


読んでいると頭の中に映像も飛び出してくる稀有な本かもしれません

 


著者は人物を活き活きと描くだけではなく、状況が克明に描くのが巧いです

 


本というのは映像がないので、読後の頭の中のイメージは読者によって全く違うものなのでしょうが、この本に関しては、読み終わったら多くの人が共通の景色が見えているかもしれません

 

 

うう、すみません。こちらも絶版です。が、格安で買えるようなのでよかったです。念のために、DVD版のリンクも貼っておきます。私もいつか映画の方も見てみようと思います

 

 

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