職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

書店アルバイトのすすめ(前編)

 

 

私は学生時代に本屋でアルバイトをしていました

 

それほどたくさんの種類の仕事を体験してきたわけではないので、世の中にはもっと面白い仕事があるとは思いますが、少なくとも私にとって、本屋の仕事というのは最高に幸せな体験でした
 
返品の本を段ボールに入れて積み上げたりする作業は、結構力仕事もあって汗だくになることもあります

 

一方で、あまりお客さんのいない閉店間際のフロアをぶらぶらしながら書棚を独り占めできる時間は至福の時でした

 

書棚の本を片っぱしから眺めていって、面白そうなものは買って帰るわけです
 
その書店で働く人には、2割引で買っていいと店長が言ってくれていました

 

ご存じの方も多いと思いますが、書店は一冊の本を売り上げると、定価の二割を利益として受け取ることができます

 

つまり、千円の書籍を売ると二百円だけ儲かるというわけです

 

私のアルバイト先では、仕入れ原価で本を買うことができました

 

逆に言えば、店員が買ったものからは利益はとらないという意味でも良心的な本屋さんでした

 

ちなみに、万引きで書店がつぶれる話を聞いたことがあるかもしれませんが、その理由は前述の通り、二割しか利益がないからです

 

千円の本を盗まれたら、二百円の売り上げが入らないどころか、八百円の原価を補填しなければなりません

 

同じ本を残り四冊売って、ようやくとんとんなのです

 

だから、万引きされるというのは書店にとって致命的です

 

書店に限らずですが、万引きは本当にやめましょう。これだけたくさんの品物があるから、ちょっとくらい大丈夫だと思っているかもしれませんが、全く大丈夫ではありません

 

実際、私がアルバイトしていた本屋さんも、当時近くに五店舗くらいありましたが、現在全てが閉店してしまいました(もちろん、万引きだけのせいではないとは思いますが)


大学はお昼に授業があったので、書店では17時から23時の勤務でした。時給は800円くらいだったと記憶します

 

23時で店を閉めて、それから一時間かけて電車に乗って家に帰るわけですが、買った本を電車に座って読みながら帰ることができたので、社会人になってからの通勤とは違って、楽しいひとときでした

その本屋の店長が、たまたま私と同じ大学だったということもあり、いろいろとお世話になりました

 

少しだけ私に目をかけてくれていたかもしれません

 

というのも、大学を卒業した後、この書店で就職したいならもっとたくさんの仕事をやってみなよ、と何度か言ってくださいました

 

ですが、私はその書店に就職する気はなかったので、店長にかけていただいた言葉をきちんと受け止めることができませんでした

 

というのも、私は当時から職業作家以外のものにはなりたくなかったからです

 

次回はその店長のお話をしてみたいと思います

 

本屋を守れ 読書とは国力 (PHP新書)

本屋を守れ 読書とは国力 (PHP新書)

  • 作者:藤原 正彦
  • 発売日: 2020/03/13
  • メディア: 新書
 

 

もし、タイムスリップが可能だったら、私は昭和中期の書店をたくさんまわってみたいです。町にたくさんの活気ある本屋さんがあって、風景に馴染んでいるという光景を、現代ではもう見ることはできません。その書棚には、今では絶版となったお宝のような本がぴかぴかのままで並んでいるわけです

 

私はその時代に、ありったけのお金を持って向かうでしょう。たくさんの本を買うために

 

 

プライバシーポリシー