皆さまは、新書を読まれますでしょうか
そうです。あの縦に細長い、背表紙で文庫の隣りあたりにある一連の書籍です(たまにものすごく分厚いものもあります)
少し堅苦しい内容のものが多いですが、読んでみれば面白いものがたくさんあります
ちなみに結構昔ですが、私が注目するようになったのはこの『詭弁論理学』という本を読んでからです
ある時期、詭弁と雄弁の違いについて考えていました
屁理屈と理屈の違いを、辞書的な意味ではなく、人々がいかなる場合に使い分けているかを知りたかったのです
はっきりとは思い出せないのですが、その当時はいろいろな学術書などを読んでいて小難しいことを考えるようになって、周りの方から「屁理屈を言うな」など、お叱りを受けていたのかもしれません
書棚にあった『詭弁論理学』というタイトルは、私には一際目立って見えました
私の悩みに答えてくれているかはともかくとして、これは非常に面白い読み物です
例えば、こんな問題があります
面白いので、少し考えてみてください
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A君とB君とC君がいます
彼らは3000円のCDを買うため、1000円ずつ出し合いました
代表のA君がお店に行って値切ると、2500円で売ってくれることになりました
A君は200円をこっそりもらうことにして、残りをの300円を三人で分けました
つまり、各々が900円だしたことになります
900円 x 3人 = 2700円(支払い分)
200円 x 1人 = 200円(着服分)
合計すると2900円しかありません
残りの100円はどこへ消えたのでしょうか?
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こういう問題が次から次へと出てきて、飽きることがありません
真剣に考えていると頭が疲れてきます
日常には言葉のトリックがたくさん隠れていて、気付かずに素通りしたことも多々あるかもしれないと思い当たるかもしれません
この本を読んだ後、分からないのは自分だけかどうか心配になり、誰かに問題を出したくなってしまうでしょう
ちなみに、私は『詭弁論理学』をある先輩に貸したのですが、まだ返ってきておりません
確認してみますと「何度も繰り返し読んでるから」と申し訳なさそうに言うのですが、あれから5年は経っています
この本は面白いですが、さすがにそこまで繰り返し読むほど分厚くはないのですが。。。でも確かに読み返したくなる気持ちも分かります
私は古書店で見つけた時にこの本を再度購入しました。先輩にはいい本をプレゼントできたと思うことにしております