前回からの続きです
ちなみに、私が最終候補に落ちた後、翌年の新人賞応募について、ある出版社の方から言われたのですが、「次の作品は締切の数か月前くらいまでに私宛に送ってください」ということでした
これはつまり、100-200枚くらいの作品であれば、半年以内で新作を書き上げてくださいという意味だととることができます
なかなか厳しい課題ですが、これくらいはクリアしないとプロになった後も継続的に作品を出し続ける職業作家にはなれないのだ、と私は理解しました
さらに言うと、前作のクオリティを超えなければ受賞することはできない、、、
相当に厳しい世界ではあります
話は戻って、新人賞を選ぶ前に書き始めるパターンです
分かりやすく言い方を変えると、賞とか関係なく書き始める、という意味になります
この場合、話はシンプルです。書きあがりそうな時期がおおよそいつくらいになりそうか、その時期を見定めます
例えば、1月から3月くらいにかけてだと思ったら、新潮、文藝、すばるに絞られます
夏休み明けくらいの9月だとすれば、文学界か群像ということになります
そして、ここからが重要なのですが、出来上がった作品を、どういう基準で賞を選定するのでしょうか
おそらくですが、多くの人は、”できあがった作品が、どの賞に最も雰囲気が近いか”という観点で選ぶかもしれません
もちろん、その直感的な選び方は一つのやり方だとは思いますが、私の経験上では必ずしもそれが正しい選択になっていないという気がします
と申しますのも、そういう選定方法で私も応募する賞を定めてきましたが、ほとんど的中せず、むしろあまりヒットしないことの方が多かったからです
ちなみに、私の五賞への印象(私が理解しているそれぞれの賞の傾向)は下記の通りです
- 文学界新人賞:お堅くて真面目で実験的な小説
- 群像新人文学賞:やや青春傾向があるが、思想的なものも含まれる
- 新潮新人賞:暗い雰囲気の物語の中に自我が溢れている
- 文藝賞:極めて読みやすく軽い感じだが、感情に何か一撃を与える
- すばる文学賞:あまり特徴のない主人公が奇異な体験をする
これは私の勝手な解釈ですし、受賞作のどれか一作に引っ張られていることは、自分自身でも認めざるをえません
ただ、一つ言えるのは、こういった自分の勝手な解釈を元に、出来上がった作品をどれかに当てはめてみたところで、受賞どころか一次も通らないケースが多かったです
むしろ、賞の傾向などにこだわらずに、このタイミングで出来上がったから、この辺に出してみようという風にランダムな感じで応募した方が通りやすいという傾向があったように思います
じゃあ、どれに出したらいいんだというお答えになってないかもしれませんが。。。
ということで、強いて結論的なことを申しますと、特にどの新人賞かにこだわらず書き上げて行って、一番締切が近いところに応募する、というやり方が自然でよいような気がしております
というわけで、今後もがんばって執筆していきましょう
この本は読んだことがありませんが、この方の本は読んだことがあります。こういった書籍に抵抗がある方も多いと思いますが、なかなかに参考になる部分も多いので、手に取ってみてもいいかもしれません