職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

『失われゆく仕事の図鑑』永井良和他(前編)

 

 

現代というのは便利ですが、あまり面白みはないかもしれません

 

おそらくそれは製品やサービスがグローバル化によって、あらゆるものが画一化されたということがあります

 

数十年くらい前までは、地域差というものが大いにありました

 

地方によって、自動販売機の中身も全然違いました。今ではどんな田舎に行ってもほとんど同じものが売られています

 

それだけ物流網が精緻化されてきて、各社のルールがぎちぎちになってきているのだと思います

 

日本の旅行も面白いと思いますが、特殊な観光地以外、たとえば地方の国道などはどこも既視感があると感じるのは、私だけではないでしょう

 

なので、かつては地方によって特色があって、景色が豊かだったんだろうなぁと思うとノスタルジックな気持ちになります

 

そして、無性にタイムスリップをしたくなったりするのです

 

私は紙芝居屋というものを生で見たことはありませんが、何だか既視感があるというか、懐かしい感じがします。そして、その全体の風景がどんなものだったのか、想像します

 

砂利道を紙芝居セットを持ったおじさんが現れて、ラッパか何かを吹くと、近所からわらわらと子供たちが集まってきて、わくわくしながら物語を聞くわけです

 

何かしら、掻き立てられるものがあります

 

そういった意味では、この『失われゆく仕事の図鑑』は存分にノスタルジーを感じさせてくれます

 

そして、職業作家を志す人であれば、いくつかの職業や風景から強いインスピレーションを感じることに間違いはないでしょう

 

現代ではほぼ見ることのできなくなった職業や場所を121紹介してくれるのが、本書です

 

写真と文章があるのですが、共著のようでご自身たちの貴重な実体験も交えて描写されています

 

聞いたことがあるものもあれば、初めて聞くものもありました

 

冒頭から順番に一気に読んでしまったのですが、うっすら記憶にあるような描写があったりして、祖父や父の時代に足を踏み入れたような気分になりました

 

今回は、私にとって印象的だったものを下記にピックアップしてみたいと思います

 

 
踏切番

こんな職業があったとは知りませんでした

 

今は当たり前のように自動化されている踏切ですが、かつては手動でハンドルを回していたそうです

 

これを読んでいると、確かにすごく大きな踏切では、「早く渡ってください」というアナウンスをしているところがあったようなことを思い出しました

 

 
し尿汲取り

かつてぼっとん便所だったということは、多くの人がご存じだと思います

 

日本も90%くらいは水洗のようですが、バキュームカーもまだ現存しているようです

 

では、水洗の前の排泄物処理はどうしていたのでしょうか

 

もちろん肥料として使われていましたが、都市部に人口集中すると、余ってしまいます

 

驚くべきことに1950年代、60年代は東京湾や大阪湾などに毎日放棄していたようです

 

その量、23区の人口のおおよそ半分・・・。すごい時代があったものです

 

 次回もお仕事図鑑の続きです

 

失われゆく仕事の図鑑

失われゆく仕事の図鑑

 

 

 

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