職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

作品の着手から完成まで(その4)

 

 

執筆の過程を次の4つに分類しました。着想⇒構成⇒執筆⇒書き直し

 

今回は執筆フェーズからです

 

~~~執筆~~~

 

もちろん執筆はものすごく大事です。ただし、このフェーズについて、私の見方は少し楽観的です

 

というのも、文章というのは人の顔に似ています。なんでもかんでも美形であればいいというわけではありません。人々は美形だけが好きなわけではありません。かわいらしい人、少しぽっちゃりした人、笑うとしわができる、目がたれている、目がつっている、ほくろがある、冷徹な目、髭だらけの顔、丸坊主、などなど。人の好みは全く異なります

 

文章にも同じことが言えると思うのです。なんかごてごてした修飾語をつけたがる人、少し古臭いけど格調高い文章にこだわる人、きわめて短文で簡素な文章をつなぐ人、トリッキーな比喩を使う人。どの人の文章にも個性のようなものはあります

 

重要なのは、自分のスタイルとかけ離れた文体を目指すのではなく、自分の持っている”顔”を最大限活かすような内容を着想フェーズと構成フェーズで構築することかもしれません

 

自分の文章のスタイルに悩むことは必要ですし、避けては通れないと思います。ですが、これはなかなか変えようがない自分の顔のような気もします。だから、どんなプロの作家でも、いくつも書いていれば似通った人物、筋立てにもなってしまうのです

 

これを工夫して変えていくことは一つのチャレンジで、できたら素晴らしいことなのかもしれませんが、同時にご本人の文体に原始的に備わっていた長所のようなものも失ってしまうように思います

 

何を申したいかと言えば、自分の文章が好きでも嫌いでも、そのスタイルを変えようとする前に一度肯定して、その上で一文一文にこだわりを見せていくことが大切なように思います

 

~~~書き直し~~~

 

おそらく、多くの人が最も軽んじるところがこのフェーズかもしれません。もちろん、ここから妙にこだわり始める人がいることも知っております

 

このフェーズになると、物語の骨子や細部はほとんどかたまっているため、方向性を変えようとすれば大幅な修正が必要になってきて、それこそ着想のレベルから見直しが必要になることもあるでしょう

 

それはそれで一つの判断なので、自分で納得いかなければ、気性の荒い陶芸家のように作り上げた壺なり皿を上から振り下ろし、たたき割っても構わないと思います

 

そして、これは私の自分への警告なのですが、私が最終候補から先へ行けない、つまり受賞できないのは、どうもこのフェーズに原因があるのではないか、と思うことがあります

 

というのも、以前このブログでお伝えしたかもしれませんが、選考委員の方々には、書きムラがあるですとか、文章が息切れしているですとか、全体の一貫性に対する不備を指摘されておりました

 

私の場合、サラリーマン仕事の繁忙期が安定していないために、執筆期間はぶつ切りになってしまいます。勢いよく書いていたものの、途中で仕事が忙しくなり数か月書けなくなったりすることがあります。そういった私のスタイルが見抜かれているようです

 

私のこの弱点を克服するためには、書き直しフェーズで全体感を見ておかしな調子のところは丁寧に修正しなければならないでしょう

 

ですが、私は致命的な欠点がありまして、自作を読み直してみたら冷静な目で見ることができなくなっていて、「これはこれでいいかな、、、」と黙認して素通りしてしまったりします

 

これはいかんともしがたい自作への偏執的な愛で、ここは過剰な自己愛を抑制しなければならないです(自分で言いながら、何ともお恥ずかしい・・・)

 

もちろん、書き上げてからしばらく寝かせて、全くの他人が読むかのように読むという方法も試してみたこともあるのですが、なかなか難しいものです

 

この部分については自分でも修正していかなくてはなりません。本当は全くの他人に読んでもらって詳しく感想を聞くことができればいいのですが、、、あいにくそういう人が身近にいないので、私の孤独な闘いはまだまだ続きます

 

今回は四回に分けて書いてみました。最後まで読んでいただきありがとうございました

 

こういう記事もどこかで誰かのお役に立てればいいのですが。。。

 

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長い時間をかけて作り上げた直後の達成感は、他には代えがたいものがあります。うぬぼれは禁物ですが、自作をどこまでも愛したっていいじゃないですか!

 

 

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