職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

作品の着手から完成まで(その2)

 

 

さて、前回からの続きですが、今回から実質的な本題となります

 

非常にざっくりとですが、作品が生まれるまでは基本的には下記のような流れがあります

 

1. 着想

2. 構成

3. 執筆

4. 書き直し

 

もしかしたら、順序が変わる場合もあるかもしれません。例えば、構成ありきでそこから着想を増やしていくパターンもあるでしょうし、思いつくままに執筆を進めていって構成のことなど考えないこともあるでしょう

 

細分化すればもっと多くの分け方ができるかもしれませんし、もっと少なくすることもできないことはないでしょう

 

とはいえ、一旦はこの骨子で作品は創られるという前提で話を進めてみたいと思います

 

(そもそも、こういった分け方をすることにはあまり意味はないのかもしれません)

 

私が重要だと考えるのは、これらをどの程度の密度で行っていくか。そして、それぞれのフェーズをよりよい活動にするためにはどのような努力や工夫をすればよいか、という部分です

 

ただし、人の勉強方法が千差万別のように、アスリートのトレーニングがそれぞれ全く違うように、この執筆の過程も驚くほど個人差があることに違いありません

 

ですので、今回はあくまで私の一個人としてのものを紹介するのみであります

 

~~~1. 着想~~~

 

いつも思うのですが、この出だしの一歩はこの後の展開を大きく左右します。この着想の如何によっては、まさしくデビューするか一次落ちするかを決定する可能性があると言っても大げさではないかもしれません

 

これまでの多くの新人賞受賞作を見ても、この着想の鋭さでデビューしたと思われる作品がいくつもあります。ここではあえて作品名を挙げません

 

ただし、この着想の良さのみでデビューした作家は、その後寡作になる傾向があるかもしれません

 

この着想というのは、思いつくかつかないかが全てなので、何ともしようがないです。私にしても、どれだけぶらぶら歩いても、ぼんやり考えても、刺激的な場所に身を置いても、さっぱり何も出てこない時の方が大半です

 

なので、あまり偉そうなことは言えないのですが、一つポイントがあります

 

物語の骨子とはならないにしても、小さな着想とかぼんやりと思いついたことというのは、いくつか出てくると思います

 

その、それぞれの小さな着想を、できる限り組み合わせたり膨らませたり、変形させたりするのです

 

それも、ささっとやって諦めたり満足したりするのではなく、それなりの時間を費やして、小さな着想たちをこねくりまわして成長させていくのです

 

すると、気付けば物語の骨子のようなものができていたりします

 

重要なのはおそらく、「組み合わせる」ということと「時間をかける」ということだと思います

 

天啓のように素晴らしい思いつきもきっとあるのだと思いますが、職業作家を目指すのであれば、偶発的に思いつくだけではどこかで限界がくるでしょう

 

小さな着想を集めて統合して大きくするような行為を自分自身に定着させる必要があるかもしれません

 

そして、この着想と共にいた時間が長ければ長いほど、次の構成がかなり円滑に進んでいくのです

 

石の来歴 浪漫的な行軍の記録 (講談社文芸文庫)

石の来歴 浪漫的な行軍の記録 (講談社文芸文庫)

  • 作者:奥泉 光
  • 発売日: 2009/12/10
  • メディア: 文庫
 

 

この本は着想+構成がうまくできていると思います。奥泉光はもっと評価されて、かつもっと売れてもいい人じゃないでしょうか。石の来歴を最初に読んだとき、そのクオリティの高さに驚きました。その後、エンターテイメントを書かれていますが、そちらはそちらで面白いです

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