職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

『ロシアとソ連邦』外川継男

突然こんなことを言ってしまうと怒られるかもしれませんが、講談社学術文庫は非常にためになるものの、内容が難解すぎて読み切るのが難しいものも多いです

 

文庫なのに学術と名付けられたその宿命からも、やむをえないのかもしれません。あくまで学術なのです

 

私のような素人が手を出すには、それぞれが専門的で少しハイレベル過ぎるという言い方をした方がいいですかね

 

ですが、全てが難解なわけではありません

 

私のレベルでも十分に理解できて、創作意欲がかき立てられる本もあります

 

それが今回ご紹介する『ロシアとソ連邦』です

 

このタイトルでは、よっぽどのロシア好きや興味がある人しか手にとらないわけで、やはり学術的ではあります

 

ですが、これが読み物としても滅法面白いのです

 

例えば、学生時代の日本史だとか世界史だとか社会科の授業は、98%くらいの方が退屈だったと懐古されると思います

 

もちろん、当時の先生方は精一杯教えてくださっていたことに間違いはないのですが、あの山川的なマニュアルを元に教壇に立ってしまえば、どんなエイターテイナーでも退屈な人物に仕上がってしまうでしょう

 

一方で、歴史というものは、きちんと学べば本来は面白いものだと理解されている方も、かなりの割合でいらっしゃると思います

 

学生時代は最終的に受験があるので、暗記がひたすら必要になり面白さどころではありませんでした

 

歴史の授業など面白くしようにも、そもそもどうすればいいのか。多くの先生もお悩みだと思います

 

そして、最終的には先生も生徒も面白さを放棄してしまう、、、私の勝手な思い込みかもしれませんが

 

ですが、『ロシアとソ連邦』を読んでみて、一筋の光が見えたような気がしました

歴史の授業を楽しく語る方法があるような気がしたのです

 

アレクサンドル一世だとかピョートル大帝を覚えろと言われても、なんだそりゃ、となりますが、彼らも同じ人間であるというエピソードを織り交ぜたら、少し印象も変わってきます

 

例えば、アレクサンドル一世は皇帝という地位を捨てたがり、周囲に死んだと思わせて実はシベリアで農夫として生きながらえたという逸話が紹介されます

 

他にもピョートル大帝はロシアをこっそり抜け出して、オランダなどを一人旅をして、現地の人を驚かせたという話も残っています

 

現代の日本にに生きている限り、当時のロシアの皇帝の気持ちなど分かるはずもありませんが、歴史に名の残っている皇帝もやはり人間なのだと、当たり前のことだが、気付かせてくれます

 

この本を読み終わった後も、好奇心は途切れることなく、どんどん拡散していき、さらに歴史を知りたくなります

 

アンリ・トロワイヤという怪物的な伝記作家を知ることができたのもこの本のおかげです

 

受験生はもちろんのこと、受験など無縁の人にも読んでいただきたいものです

 

 

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