職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

小説のタイトルの付け方(後編)

 

 

いよいよ最後になります

 

蛇にピアス』と『甘い死臭』には、共通点があります

 

それは、、、「単語+単語の構成」であることと、「違和感のある組み合わせ」ということです

 

例えば、蛇という言葉と親和性のある言葉があります。なんでしょう。「細い」、「長い」、「毒」、「しましま」、「舌」、「まる飲み」などでしょうか

 

一方で蛇と相性が悪い言葉もあります「四角」、「大空」、「ホテル」、「タワーマンション」「丸の内」かなり適当に選んでおりますが・・・

 

一方で、ピアスという言葉と相性がよいものはなんでしょうか。「耳」「プラチナ」「きらびやか」「女性」「髪の毛」などなどかもしれません

 

ピアスと合わない言葉は、「むさくるしい」「城下町」「オーバーオール」「草原」「井戸水」なんて言葉を選んでみました

 

そろそろ私が言いたいことに、皆様はお気づきのことかと思います

 

ある言葉に対して、あまり親和性のよくない言葉をくっつけるとインパクトのあるタイトルになります

 

例えば、一般的にはピアスというものは耳にしますが、蛇には耳がありません。そしてスプリットタンという言葉につながるのですが、そういう知識なく「蛇にピアス」と聞くとイメージが湧きません。そして、中を読んでいくと、合点がいきます

 

一方で、死臭というものは嗅いだことがないですが、とてつもないものだと思います。(ふとカラマゾフの兄弟のゾシマ長老を思い出しますが)死臭というものに甘さを感じるということで、組み合わさると奇妙な響きになります

 

かなりテクニック寄りの話になってしまいますが、何か骨子となる単語を選び、その上で親和性が低くて、内容と整合性のある単語を選び組み合わせる、というのが、上手なタイトルの一つのモデルケースになるように思います

 

と、偉そうに書いていますが、この辺はよく知られている技かもしれません

 

新しいアイデアとは、既知のものと既知のものの組み合わせで生まれるものである、、、のような言葉は誰しもが聞いたことがあると思います。はっきり言ってしまえば、私はそれと同じ論理を展開しているだけです

 

(もしかしたら、どこかの本で同じようなことが書かれているような気もします)

 

私が上述した例の組み合わせでも、面白いタイトルができるかもしれません

 

例えば、こんなのはどうでしょう

 

『四角な蛇』

 

タワーマンションに巣食う蛇』

 

『ピアスとオーバーオール』

 

『井戸水に浮かぶピアス』

 

いかがでしょうか!!!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

いや、やはり、私はセンスがないようです。どれもうさんくさくて、洒落てないタイトルになってしまいました・・・

 

ですが、何か違和感のある単語を組み合わせて、そこから物語を膨らませていくというやり方も面白いかもしれませんね

 

というわけで、ご紹介したような方法論を用いても、単語のチョイスがへたくそだと、あまりよいタイトルに結びつかない、、、ということかもしれません

 

(本当はこんな帰結を迎えたくなかったのですが)

 

皆さんもタイトル作り、楽しく自由にやってみてください

 

月と六ペンス (新潮文庫)

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声高に良いタイトルと言っても申し分ないと私はひそかに思っております。そして、内容との一致も文句ありません。未読の方はぜひご一読を。既読の方はぜひ再読を。私はもう10回は読んでおります

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