職業作家への道

自分の文章で生活できるなんて素敵。普通の会社員が全力で小説家を目指します

純文学?エンターテイメント?カテゴライズについて

 

 

世の中にはさまざまな芸術がありますが、実に多くの種類のカテゴライズがされています。音楽も映画も、もちろん小説にしてもそうです

 

ゴシック系、ロマン派、スリラー、ライトノベル、などなど、どの芸術も実に興味深いジャンルやカテゴリーがあります

 

芸術において、そういう区分けみたいなものは無意味だ、と言われる方もいらっしゃると思います

 

確かにそういう分け方で見ることによる弊害もあるのかもしれません

 

例えば、ホラーと名付けられてしまった映画を、ホラー嫌いは見ることはありませんが、実際はそういう人でも満足できる作品に仕上がっているかもしれません

 

カテゴリーのようなものを超えてしまう作品は往々にしてあります。そういう場合、カテゴリー単位で作品を選択する人は、自分にとって大切な作品を見失ってしまう可能性が高いです

 

だからといって、カテゴリー分けが無意味だとは私は思っておりません

 

むしろ、芸術やエンターテイメント(これもカテゴライズ・・・)を昇華させるものなのではないかと考えています

 

カテゴライズすることにより、作品は議論され検証され見直されます

 

それは、作品を見つめる上でよい機会だと考えます。間違ったカテゴリーをしたところで、作品自体が変わるわけではないですし

 

小説などでよく議論されるのは、純文学とエンターテイメントですね。これも、どっちがどっちだか分からないことが多いです

 

村上春樹辻仁成ポール・オースター、このあたりの作家は、私にはどっちも備えているような気がしますが、人によっては、どちらかに寄っていると思うのかもしれません

 

あまり上手な分け方ではないのは自分でも分かっているのですが、私は作品の区分けを与党的と野党的というように見立てることがあります

 

例えば、音楽というのは、非常に魅力的ですが野党という感じがします

 

特に最近の音楽は完全な野党です。非常に力強く彼らは悲しみ、喜び、恋や愛に満ち溢れ、現代の腐敗を嘆きます。つまり、現状の社会や状態に対する所感や喜怒哀楽を表現します

 

歌詞がついていると余計にそんな感じがします。そして、この芸術は強く人を扇動して、感情を揺さぶる強烈なものです。麻薬に近い(とはいっても私は麻薬のことをよく知りませんが・・・)中毒さがあるような気がします

 

野党的な作品は、とにかく攻撃力があり、感受性が豊かで、破壊的です

 

私の観点では、音楽の大半は野党です

 

一方で、与党の代表は建築です。これは性質的にも与党にならざるを得ません。構築したものに対して、利用者が合わせる形になるからです

 

最初に作り上げられるものは、体系的で、構造的で、頑丈です

 

そんな感じで、彫刻はどうか、美術は、書道は、などなど考えますし、人間だったらどっち側の人なんだろう、と自分の心の中だけで勝手にカテゴライズしたりしています

 

ちなみに、この区分けに良い悪いはありません

 

そんな中で、小説はどちらなのでしょうか

 

自分で問題提起をしておきながら、よく分かりません

 

小説というのは与党的なものと野党的なものの、ちょうど中間くらいにある芸術なのかもしれない、という気がします

 

それぞれの作品に分解して考えるとなお面白いです

 

私が思う野党的な文学は、非常に攻撃力が高くとてつもなく鋭利で凶器的なイメージで、人の感情を揺さぶります。一方で与党は、どんな愚かな人間も巻き込んでしまうような包容力のある世界です

 

もし、皆さんの頭の中に、「ああ、あれは与党/野党なのかもなぁ」なんて、想像していただけたら嬉しいです

 

他の人と解釈が異なっていたとしてもOKだと思います

 

ちなみに私の自作への戒めなのですが、なるべく与党的なものを書きたいという気持ちがあります

 

音楽のように、現在の政権や世論や風潮に強い批判を浴びせるというのが、非常に受賞しやすいテーマだと思いますし、文学というのはそういう役割もあるのは分かっているし、そういう作品も私はすごく好きなのですが、あまりそっち方面にはいきません。私の性格的なものなのかもしれません

 

建築のように、と言ったら妙かもしれませんが、あくまで強い枠組みでもって、人間というものを再定義するようなものが書きたいと思っています

 

とはいえ、与党野党という区分けは自分一人で楽しむだけにしておいた方がいいかもしれません。その分け方で厳密になったり躍起になりすぎると、あまり収穫はなく、周囲を批判するだけになってしまいますので、、、

 

他の芸術や作品のカテゴライズも、相手を納得させるのではなく、人と楽しく話す材料にしてみると、ほどほどの塩梅でいいかもしれません

 

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

  • 作者:村上 春樹
  • 発売日: 2005/09/15
  • メディア: 単行本
 

 

大人気な小説でいうと、これこそまさしく中道をいく作品かもしれません。もうずいぶん前に読んだので細部は忘れてしまいました。そのうち、再読

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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