私は本を読むのは好きなのですが、映画を見るのは実は苦手です
特に洋画が苦手で、それはなぜかというと外国人の方の顔が同じに見えてしまうことがしばしばあり、ストーリーがわけわからなくなってしまうからです
邦画でも、知らない人ばかりだと顔の区別がつかなくなることがたまにあります
そういう苦手意識があるからか、見たことのある映画の本数が、普通の人に比べたら圧倒的に少ない気がします
(統計をとったことがないので断言できないのですが、周りの人の映画の話についていけたことがほとんどないです・・・)
本当は、面白い映画をたくさん見たいのですが、レンタルビデオ屋に行っても何から手に取っていいのやら、となってしまいます
かつて少年時代に本屋さんに行ってもどの棚に行けばいいか分からなかったのと同じ状況かもしれません
そういうこともあって、何か映画を見るときはだいたいの場合は本から入ります
読んだことがある本だから、映画で内容についていけないことはないだろう、と少し自信を持って映画に臨むことができます
ですが、皆さんもご経験があるかもしれませんが、そういう入り方はあまりいい結果をもたらさないといいますか・・・
面白かった本の映画化というのは、どうしても外れてしまうことが多いとはよく言われます
私自身、その説には反対しきれない経験をけっこうしているので、さらに映画から離れてしまいます
ですが、例外もあります
それがこの『劇的紀行 深夜特急 [DVD]』です
本については私が紹介するまでもなく、バックパッカーにとっては伝説的な沢木耕太郎の旅行記です(ちなみに作家の方のお名前は敬称略にさせていただきます)
それをドラマ?映画?にしたのがこのDVDです。かつてはテレビで何度かに分けて放映されたもののようで、それがDVDになっています
主演は大沢たかおで、松嶋奈々子も出ていたりします
少し古いDVDなので、画質はあまりきれいではないのですが、バックパッカー全盛期だった時代がきちんと映し出されています
ストーリーらしきものはほとんどありません
ただただ、一人の青年が歩き移動し、ご飯を食べ、ホテルに泊まり、人と話すというだけの繰り返しです
ですが、このドラマ/映画には、奇妙なほどのリアリティがあります
おそらく、大沢たかおも通常の旅行者のようにおずおずと旅をはじめて、次第に慣れていって大胆になる、というリアルな過程をたどっているからだと思います
自分もその旅をしているような気分にさせてくれます
でも、この映像をすごくいいと思ってしまうのは私だけかもしれません。本当は彼のような旅をしたかったのに、それができずにサラリーマンを選んでしまって、今を過ごしている・・・
かつて、奥田民生の「さすらい」という曲を聴いて、サラリーマンを辞めてしまったという人の話を聞いたことがありますが、この作品にも同じような磁力があるかもしれません
ですが、私の究極の目標は職業作家になることなので、それまでは彼のような旅は我慢です
とはいえ、コロナの状況なので、二度と海外旅行に行けなかったりするのかもしれませんが。いつか海外旅行に行けると信じて、しばらくは