当時その作品について、私の自信があったかといえば、ありました
結構前に書いた作品ですが、今読んでもそれなりに考えさせられる物語のようにも思えます(自画自賛が過ぎますよね・・・)
その時はもう有頂天でした。きたぞ、いよいよここまできたぞ、と
そして、また一ヶ月後の雑誌の発表まで待たなければならないと考えただけでうんざりしました
二次三次予選通過の発売日ですら、私は気になって仕方がなかったのですから・・・
しかもここからは、集英社からいつ電話連絡がくるか分かりません
選考過程をあまり知らない当時の私でも、最終選考に残ったら電話連絡がくるというのは知っていました
携帯電話が鳴るたびに心臓が高鳴りますし、家に帰ると自宅に着信がなかったかチェックする日々です
ですが、次の発売日の一週間前くらいのときにはさすがに落選したのだと理解しました
すでに印刷されて全国に配送されていなくては発売日に間に合わないだろうと分かります
そして、発売日にすばるを買いに行きました
そこには受賞作と最終選考の書評が載っていました
三次選考まで通過していた私の名前はもうどこにも記載がありません
改めて私は自分がひどく悔しがっていることに気付きました
すでに落ちていることは分かっていましたし、最終選考に残っていないことも理解していたはずなのですが
もう少し落ち着いてから、その時に当選した作品を読んでみましたが、あまり感心しませんでした
私自身、冷静に読めていなかったというのはあると思います
何がしかのアラばかり探しながら読んだ記憶があるので
その作品は話題性がありセンセーショナルにデビューしていたので、私がひがんでいたというのもあるでしょう
ですが、この時、次は取りたい、強い気持ちが自分に芽生えました。自分の作品を世に問うてみたい
そして、これ以降ただただ漫然と書き続けるのではなく、もっと意識的な書き手になるよう努力していくことになります